インフレがやってきた

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ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁が必然的に招いたエネルギー価格急騰がもたらす物価上昇が世界中で猛威を振るっています。そして日本ではそれらに加え、強烈な円安がすべての輸入物価の高騰を引き起こしています。

さらにゼロコロナ政策が引き起こした中国サプライチェーンの停止がもたらす諸資材・部品不足による製造停止や施工停止。その反動で、あちこちで「今、在庫があれば何でも買う」というほどの売り手市場。いやはや、「これでもか」という具合です。

つい最近まで日本人の脳裏に強烈に刷り込まれていたデフレマインドは、こうした物価上昇の大津波に一挙に洗い流されてしまうでしょう。多くの企業が、今や従来と同じような感覚で値決めをしていると、途端に収益が細りかねない状況にあります。デフレにすっかり慣れ切った若い方は肌感覚で分かりにくいかと思いますが、インフレがやってきたのです。

こうした急激なインフレーションの時代というのは直近でも1次・2次のオイルショック直後ですから、それぞれ1974年と1979年。そりゃあ実感はないですよね。今の働き盛りの40歳前後の人たちでさえ、まだこの世に生を受けていない時期ですから。

前回のインフレは狂乱物価とも呼ばれ、その後の一時的な景気後退に対処するため政策的に行われた過剰流動性により膨れ上がったマネーが土地投機に向かい、それがバブル景気を生みました。それが萎んだ後の長いながーい平成不況については皆さん覚えていますよね。

景気のブレを小さくするには政府に早めのインフレ対策を願いたいところですが、実は日本政府には潜在的にインフレ期待があるため(政府自身が最大の借金王ですからインフレになったほうが嬉しいのです)、インフレへの対処は甘くなると予言しておきます。