2015年を振り返って

グローバル

2015年に起きた経済社会の話題の多くはかなり情けないものが多かった。日本や世界を代表するような大企業・組織での不祥事、それを誤魔化そうとする醜い動きや言い訳が目立った。東京五輪のエンブレムや競技場などを巡る「仕切り直し」騒ぎもあった。

世界ではもっと深刻な問題が噴出している。押し寄せる難民を巡る混乱やイスラム過激派のテロ事件が欧州の既存の枠組みを揺るがしている。米国民の過剰反応も気になる。ネガティブなニュースのほうが印象に強く残りがちなのは人間の性かも知れない。

一方でTPP交渉の大筋合意という、将来の日本に大きなインパクトをもたらすであろう出来事もあった。また、国産ジェット旅客機「MRJ」の初飛行や燃料電池自動車「ミライ」の一般向け発売など、技術者の執念を伝える、明るい話題も少なくなかった。今日、大みそかには、理研が合成した原子番号113番の新元素が国際的に認定され命名権を獲得したというビッグニュースが飛び込んで来た。

テロの影がちらつく不穏かつ不透明な世の中だが、日本の高い技術力やきめ細かいサービス、そして真摯な思いやりの心は世界で求められている。来年も頑張って参りたい。