真珠湾で慰霊した安倍首相の所感を読んで

グローバル

安倍晋三首相がアメリカのオバマ大統領と共に真珠湾を訪問して真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊した際の所感を改めて読んだが、非常に見事な文章だった。感傷的に過ぎず、もちろんビジネスライクな印象もなく、抑制されながらも心ある人々の情感に訴える、感銘をもたらす名文ともいえるものだった。英訳文もよかった。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/27/abe-obama-at-pearl-harbor_n_13862352.html

未来志向で、敗戦国・日本に米国が示した「寛容の心」への感謝を語り、最悪の敵だった両国が育んだ「和解の力」を世界に訴えるものとなった。訪問前にはオバマ氏の広島訪問時と同様に「謝罪の言葉の有無」が取り沙汰されていたが、もっとずっと高いレベルを見据え、両国が信頼し合える同盟国になったこと、日本が誰よりも平和を希求する国となったことを世界に宣言する意義深いものとなった。

以前は小泉内閣時の官房長官時代の言質や、第一次安倍内閣時の不甲斐なさなどから、今一つ信頼が置けない懸念があった安倍首相だが、オバマやプーチン、習近平や朴槿恵などと対峙する最近の様子からは自信も安定感も感じられる。そしてこの所感文にも当然、本人の筆が入っているに違いない。評価を見直さねばなるまい。