人工知能ベンチャーは何を目指すのか

ビジネスモデル

年末年始に撮り貯めた番組を少しずつ観ている(一部は観ないまま消しているが)と、新しい年を展望したものの中には、改めて気づきをもたらしてくれるものがある。

そんな一つが12月25日に放映されたNHKの「サキどりさん」という番組で、「新ビジネスのサキどりさん それからスペシャル」だった。新ビジネスに挑んだ若者の紹介だ。

その一つは以前から注目している「人工知能ビジネス」で大企業から頼りにされるベンチャー企業、プリファードネットワークス。その創業者の二人、社長と副社長。2人は東京大学1年時に出会い、大学院に進学してから会社を設立。トヨタとも提携した。

追跡取材は前回から9か月後に行われた。東京・大手町にオフィスを移し、社員数も約30名から60名近くと倍増している。

同社は人工知能で産業用ロボットの分野に挑戦。ドイツのライプチヒで行われた「アマゾン・ピッキング・チャレンジ」に出場、ロボットでかごからものを取り出す技術を競った。かごの中に置かれた物体をアームでつかんで移すなど、人工知能を搭載して学習させることで複雑な操作を自動化できることで注目された。結果は16チームの中で競技別の世界最高得点を獲得、上位入賞。

次はさらなる新分野・医療に挑戦中だという。国立がん研究センターでの会見では、人工知能を活用したがん医療での協力が発表された。他に産業技術総合研究所とも連携して開発を目指す。東京大学での研究では、治療方法の判断や薬づくりなどの分野に人工知能を活用。5年後をめどに実用化を目指すという。

2人の今後の展望では、人工知能を活用して世の中の未解決問題に挑戦したい、人の生活を変えるような成果を作りたいとことだ。決して夢ではなく、手の届く未来だ。そして多分、医療はその一部だ。