物流コスト削減のネタは各戸の郵便受けにもあり

BPM

日本郵便、インターネット通販大手のアマゾンジャパン、郵便受けを生産する住宅設備メーカーのナスタの3社が、大きな郵便受けの普及を目指して協力することを1日、明らかにしました。

集合住宅用には全体サイズを変えずに入口だけ大きくし(「D-ALL(ディーオール)」)、個人住宅用には一回り大きくして大型貨物も入るタイプ(「Qual(クオール)」)の新製品を企画開発したのです。
http://www.asahi.com/articles/ASGB15TVZGB1ULFA03D.html

そもそもネット通販が広がって郵便物が大型化した結果、従来の郵便受けに入らないケースが増え、再配達の費用が膨らんでいるというのです。具体的には、アマゾンの書籍送付用ですと縦の厚みが3.5センチで、従来標準の3.1センチでは入らず、日本郵便のめーる便だと幅が少し長過ぎて入りきらないのです。

アマゾンからの昨年の要望によりこうした事情に気付いたナスタの社長(商社出身で最近社長就任だそうです)が社内プロジェクトを発足させて取り組んだ結果、ようやく望ましい製品ができたという次第です。ちなみにWBS(テレビ東京系)によると、一旦製品開発ができたあとにもマンション会社に提案した際に、「内部のカギの出っ張りを削れば、中に2つ分の包みが入ると指摘されたのですが、正式発売前に対応できたそうです。ユーザーニーズに応えようという前向きな風土が出てきたと社長は嬉しそうでした。

ナスタ社が国内シェア40~50%という圧倒的ナンバー・ワンの地位にあぐらをかいて新商品のニーズを嗅ぎつけることがずっとできなかったことも確かに問題ですが、何度も再配達を余儀なくされて配送コストが大幅にアップしていた問題をずっと放っておいた日本郵便はやはりどうにかしています。こんな調子だからヤマト運輸(こちらは郵便受けは使いません)に全然追いつけないまま、宅配便市場で存在感をどんどん失っているのでしょう。ちなみに我が家のポストも同様の問題がありそうです。