某社プロジェクトでの中締めパーティ

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以前から某社での営業プロセス改革について支援しており、そこでの話です。

 

その中でいわゆるSFAシステムも新規に導入し、稼働後しばらく経ったことから、先日そのシステム・ベンダーと導入支援ベンダーも招いての「中締めパーティ」なるものがありました。正式名称は忘れましたが、要は「何とかここまで来ました。お疲れ様でした」という趣旨ですね。

 

このクライアント企業にとってSFAシステムはいわば「鬼門」でして、何度も導入に実質的に失敗しているものです。

 

「実質的に失敗」というのは、導入は一見できて対外的には成功とも称されるのですが、利用実態としてはごく一部の部門だけとか本来の使い方ではないなど、実に勿体ない導入の仕方を何代かにわたって続けてきたのです。

 

それだけSFAの導入・更新に対し現場の営業というのは抵抗するものなのです。他社でもそうした例は多く報告されていますが、このクライアント企業の場合、そうした他社事例に輪をかけて根強い抵抗の風土があったためです。

 

それからすると今回は成功しつつあるのです。何と言っても営業の全部門で導入され、しかも(多少強引なやり方ではありましたが)発生している商談案件の多分90%以上が登録された状態まで持っていくことができたのです。

 

今となってはやや懐かしい感のある、このSFAシステムの導入時には私も評価をお手伝いしたのですが、実は私やクライアント企業の上層部は対抗馬のシステムが選ばれることを想定していました(世間での実績からして格差がありました)。

 

しかし私はスケジュールの関係で片方のプレゼンには参加できず、したがって評価者の立場からは降りました。そして経営陣もPT(プロジェクトチーム)の担当者たちに評価を委ねたのです(まぁ民主的なこと…)。

 

するとPTの担当者の多くが世間的には人気のないほうのシステム・ベンダーを気に入り、評価は意外と一方的だったのです。もう一方のベンダーの態度や対応が傲慢だったみたいですね。ビジネスにはこういう場面がよくあります。

 

しかし実はそれからが大変でした。選ばれた側のシステム・ベンダーはどうやら「針小棒大」に実績を膨らませていたようで、パフォーマンスはなかなか上がらず、機能も随分不足していました。なにより基本的な仕組みが出来上がっておらず、とても大企業が何社も導入済とは信じられない実態でした。

 

PTのメンバー(私を含む)はかなり振り回され、現場営業の「何だこれ、使えないよ」という反発をなだめすかしながら導入・利用定着のための説得を続けたのです。本当にこのシステムの不出来具合には随分足を引っ張られ続けましたが、ようやくこの夏でひと山超えた格好です。

 

今回の「中締めパーティ」ではそうしたプロジェクト関係者の万感の思いがそこかしこで吐露されており、それはそれで思い出深いものとなりました。あの中に混じっていたシステム・ベンダー(M社!)への明るい愚痴、皮肉などはさて届いたでしょうか?