地方建設現場は「外国人労働者の受け入れ」でしか成り立たない

ビジネスモデル

11月1日 (土)に放送された「目撃!日本列島」(NHK)は「“建設バブル”の裏側で~外国人実習生受け入れの現場から~」。そして11月3日放送の「未来世紀ジパング」(TV東京)は「”ニュースが伝えない”外国人労働者争奪戦」。同じテーマで別局がほぼ同時に特集しているわけで、このテーマが注目されていることもよく分かります。

そしてどちらの放送からも、単純労働を目的とした外国人の在留を認めず、労働市場の“鎖国”を貫いてきた日本の実態が浮かび上がりました。

「未来世紀ジパング」のほうは、物流・人材派遣の会社、SBSの会長がミャンマーの秘境を訪れる姿から始まりました。ミャンマーの若者たちを集め、人手不足の日本に派遣しようというのです。この地に学校をつくり、半年かけて教育、日本の建設現場に送る予定です。50人の定員募集に200人以上が応募する人気ぶりです。地元の村には仕事がなく、日本で働きたいと殺到してきたのです。要は「出稼ぎ」です。

「目撃!日本列島」のほうは山口県岩国市の建設現場から始まりました。景気対策や米軍基地関連の工事で空前の“建設バブル”に沸く、人口14万の地方都市です。人手不足を補おうと、外国人を受け入れる会社が増えています。その多くは、国の制度を利用してアジア各国から来た「技能実習生」という形を採っていますが、まごうことなき労働者です。

ミャンマーのようなアジアの途上国の田舎で人を集め、日本の建設現場で「技能実習生」という形で働いてもらう。このパターンが定着しています。空前の建設バブルと、地元の若者の“建設業離れ”による深刻な人手不足の中で、外国人労働者に頼らざるを得ない実態が生まれているのです。

以前なら圧倒的に中国人の「語学研修生」と「技能実習生」が多かったのですが、中国の沿岸都市が発展して母国での割の良い仕事が増えたこと、日中関係が極度に悪化したことで、本当の留学生以外は相当減った模様です。中国人に替わって増えているのがミャンマー・ベトナム・ネパールなどのより発展度合いが遅れている途上国からの「技能実習生」なのです。

しかし「未来世紀ジパング」で採り上げていたように、彼らの出稼ぎ先の選択肢は日本だけではありません。韓国・台湾が有力な競合としてアジアの労働力を求めているのです。韓国なら8年働けるのに「技能実習生」制度の日本はたったの3年(それを5年に伸ばそうとしていますが)です。これでは「出稼ぎ」労働者は韓国や台湾を目指しますよね。

そして「技能実習生」制度の「建前」が双方のすれ違いを強めています。使うほうは「安い労働力」としか見ないし、使われるほうは「技術を教えてもらうはずなのに、安い賃金でこき使われるだけ。しかも国に帰って使えるとは限らない」と不満を高めるケースが少なくありません。

この制度、完全に経年疲労を起こしており、もうそろそろ廃止すべきです。