地方の現実、中小製造業の現実

ビジネスモデル

最近、ある大手企業のプロジェクトで地方の製造中小企業を続けて訪問している。目的としては将来的に生産性を上げる、または事業を拡大するためのサービスの仮説をぶつけて、その反応を確かめるためだ。とはいえ、現在まだ存在せず、(製品ではなく)目にも見えない「サービス」なので、ポンチ絵を見せるしかなく、どこまでイメージしていただけるのかは不安だらけではある。

それはさておき、昨日は北関東を車で移動した。全国でも似たような風景をずっと見ているが、沿道の家屋や商業施設は意外とましだが、駅前が意外とさびれているケースが多いのは寂しい限りだ。

その中でちょっと面白かったのは太田駅前あたり。周辺の工場に勤務する出稼ぎ外国人がかなり増え、人口動態だけでなく、中心街の風景が変わってしまったという。

駅前のメインストリートを見ると、昼間だというのにほとんど歩く人影はない。シャッター通りっぽく見える。しかしそれは昼間だけで夜はネオンサインきらびやかに変わるという。多くの風俗店や飲み屋で占められているからだ。

http://againstars.blog20.fc2.com/blog-entry-6.html

小生は個人的には面白いと思ったので幾つか写真を撮ったが、地元の人たちの感想はちょっと複雑なようだ。確かに無茶苦茶自慢したいとは思わないだろう。

でも製造業がしぶとく生き残っている太田市は全国の自治体からするとうらやましいほうかも知れない。「昔の栄華は今どこに」といった裏さびれたシャッター通りになっている「元繁華街」が全国いたるところにあるのだから。

その一例が「繊維の街」、岐阜の柳ケ瀬だという。台湾・韓国→中国→バングラデシュとどんどん途上国の下層へと製造業者は渡り鳥のように移動して生き延びようとしている。元の製造業者の町は寂れる一方。残っている業者は、高級路線にシフトできた一部の会社を除けば、外国人労働者を安く獲得・労働させるため、グレーゾーンの「外国人実習制度」を利用しているケースが大半だ。

その結果が来日前の期待と現実とのギャップに落胆し、悲しみ、怒り、脱走する実習生が続出する現象となって現れている。またはまともな残業代を支払えと訴訟沙汰になっているのだ。このため廃業を余儀なくされる業者が後を絶たないそうだ。
https://tvtopic.goo.ne.jp/program/nhk/51698/1031939/

あまり彼ら業者だけを責めたくはないが、構造的には無理の限界に来ているのではないか。日本人を雇って成り立たない商売は日本で続ける必要もないと考えざるを得ない。
https://www.insightnow.jp/article/8974