ニッポンの建設技術は世界に誇るべき優れモノ

グローバル

5月6日(月)の「未来世紀ジパング」は、「解体!改修!耐震&免震!世界に羽ばたくニッポンの建設技術」と題して、日本の土木・建築技術の凄さを伝えてくれた。

最初に映ったのはグランドプリンスホテル赤坂(通称「赤プリ」)。昨年解体工事に入ったが、140メートルの高さを持つビルが毎日少しずつ縮んでいく。これは、大成建設が考案した“テコレップシステム”と呼ばれる解体工法。粉塵や騒音をほとんど出さず、上から下にビルが縮まるように小さくなるという日本独自の技術だ。100m以上の高度ならコスト抑制効果が高いという。

次は今や新名所、東京駅丸の内駅舎。(東京大空襲で焼失して以来)67年振りに3階部分が復活した。5年もの歳月を要した工事は、外装や内装を修復するだけではなかった。 駅舎を支えてきた1万本の「松の杭」を(基礎部分に鉄筋を打ちこむことで)除去し、新たに地下2階(駐車場になっている)を作るという難工事が鹿島の手で行われた。

姫路城の50年振りの大規模修復工事も同じ鹿島。素屋根という足場をかぶせて実施されている(以前、爆笑問題が現場突撃をしていた)。ここは歴史的建造物特有の厳しい条件として、地面には釘1本打てないとの事。土木シートの上に砂利を置いてコンクリートを打ち、基礎を作っており、素屋根はその上に建てられている。

シンガポールは建設ラッシュ。そこではイギリス植民地時代に建てられた歴史的建造物の改修も相次ぎ、日本企業の独壇場になっている。ビクトリアシアター・ホールは佐藤工業(受注額71億円)、シティホールと最高裁判所は竹中工務店(同260億円)、キャピトル・ディベロップメントは清水建設(同200億円)が受注。1933年に建設されたキャピトル・ビルは政府から保存・修復に関する詳細な指示があり、韓国企業などは「リスキー過ぎる」と入札時に降りたそうだ。壁や柱を保存することはもちろん、なんと中の鉄筋や鉄骨も保存せよとのことだ。「鳩の巣」と呼ばれる天井裏は床の厚みがわずか6センチしかなく、1人乗るだけでも危険だという。こうした困難に立ち向かうのがニッポンの技術者の凄いところである。

もう一つの地震大国・インドネシアでもニッポンの技術が喜ばれている。スマトラ島のパダン市ではJICAが地震被害後の復興に手を貸している。耐震基準が高い小中学校を、日本の建設技術で次々に建設していたのだ。これは八千代エンジニヤリングが協力しているようだが、現地の建設基準より遥かに安心な、太く丈夫な柱と鉄筋を使っている。またブリジストンの免震技術を気に入ったホテルが新しいビル建設に導入し、ラウンジでは免震設備部分を透明のカバーにして見せるようにしていた。同国の大きなビルの新設に今後、これが標準的に導入されると素晴らしい。

最後は「耐震」「免震」に加え「アクティブ免震」(大林組)でどれほど揺れないかを比べるため、スタジオではそれぞれに鉛筆を立ててデモをしていた。「アクティブ免震」だと本当に鉛筆が倒れないのが視認できたが、いやはや凄い技術である。是非、国内で価格の叩き合いなんかしていないで、世界で稼いで来て欲しいものだ。