「処理水」放出問題は宣伝合戦と覚悟せよ

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まだまだ残暑がきつい中、福島第一原発の「処理水」の海洋放出問題が、日中間および韓国国内で何やらきな臭い動きを呼び起こしています。

「日本は『汚染水』を太平洋に撒き散らそうとしている」などといった中国官製メディアによる悪意ある宣伝工作が連日エスカレートしてきました(それに加えて、日本からの輸入海産物に対する全面的な放射線検査を実施し、日本からの輸出は全面的にストップしています)。

中国政府のこの嫌がらせ行為に対し日本政府はずっと政府間で説明もしくは反論してきましたが(海産物の放射線検査についてはさすがに抗議していますが)、「カエルの面に〇〇〇〇〇」状態で、何らかの効果があるとは思えません(それとは別に、首相らは福島県沖でとれた海産物の刺し身を食べて安全性を訴えたそうですが、誰にアピールしているのやら…)。

こうした政治的宣伝(中国政府は、不景気による若者の失業率高止まりの批判の矛先を自分たちから逸らしたいのです)に煽られた中国人が何をするかというと、日本産品の買い控え運動が盛り上がっているのは予想通りとしても、もっと凄まじいことをやり始めています。

適当な日本(主に福島)の機関や施設、民間企業(原発と何の関係もないラーメン店や旅館など)に手あたり次第に電話を架け、脅迫じみた中国語のセリフを一方的にどなるのだそうです。とんでもない迷惑行為で業務妨害です。何とも腹立たしい事態です。

あくどいのは中国政府だけじゃなく、韓国野党も同様です。科学的根拠を無視して、一方的に『汚染水』という言い方で、国民に対する印象操作とデモ活動を繰り広げています。政敵である与党およびユン大統領の親日政策への国民の反発を引き出すためには何でもありなのです。

日本政府は中国政府に対する抗議や、中国人民や韓国民に対し冷静になるよう呼び掛けを強めると言っていますが、そんな生易しい行為に意味はないでしょう。中国政府や韓国野党は悪意あるプロパガンダを意図して行っている確信犯です。こうしたやり口に対抗する効果的な策を展開する能力に欠けているのが戦前からの日本政府の欠点です。

ここは相手国言語とグラフを駆使して、動画サイトやSNS(ちなみに中国ではYouTubeもXも使えません)上で続けざまに配信し、拡散されるようにしなければいけません。「日本が今後30年間にわたって放出する処理水に含まれるトリチウムの年間平均量はこれだけ」「それに対し中国/韓国が現在毎年放出しているトリチウムの年間平均量はその〇倍」と、相手国内と世界じゅうにアピールすべきなのです。政府のホームページに日本語で掲げるだけではダメなのです。

日本政府は既にそうしたデータを持っています。外国政府への説明資料には反映しているようですが、相手国民向けおよび世界のメディアや市民にはほとんどアピールしていません(なぜか外務省は、中国人がアクセスできないYouTube上で中国語で主張しているそうです)。

このちぐはぐな対応、「宝の持ち腐れ」状態のままでは世界の共感は得られませんし、理不尽な相手の策略にしてやられるだけです。ここは「宣伝合戦」に勝たなければいけない場面なのです。