「ペヤング」のブランド力を示した販売再開

ビジネスモデル

ペヤングのソース焼きそばが市場に再び現れるようになりました。インスタント麺「ペヤングソースやきそば」を製造するまるか食品は、全面的に休止していた商品販売を再開しました。まずは首都圏から開始して順次地域を拡大する予定だそうです。当面は主力のペヤングソースやきそばのみを生産するとのことです。

主なスーパーでは昨日から棚に並びましたが、そばから買っていくコアなファン消費者の姿がニュース番組で放映されていたようです。ネット上にも「ぺヤンガー」と呼ばれる強烈なファンの喜びの声が渦巻いているようです。

正直言って部外者にはピンときませんが、ぺヤングは消費者の間に一貫したブランドイメージが浸透しており、従来からコアなファンが多いことで知られています。あのプラスチック製パッケージのレトロ感が「たまらなく好き」というファンも多いのだそうです。

大半のスーパーではぺヤングが生産中止の間、他のメーカーの製品を増やして代替していたのですが、また元に戻す動きが出ており、それだけ「ペヤングソースやきそば」のブランドは強いということです。まだ入荷する数量が限定されているため、特設コーナーでの売り出しをあきらめたというスーパーの声もありましたから、大した人気です。

そもそもの発端は約半年前の12月2日、Twitter上で「ペヤングからゴキブリ出てきた」とのつぶやきが写真付きで投稿され、拡散したことです。ペヤングを製造するまるか食品によると「混入の経緯は不明」ですが、ゴキブリに加熱処理が施されていたことが明らかになり、製造過程での混入の可能性も否定できないとして、当該商品以外を含む全商品の生産中止・自主回収に踏み切ったのです。

ただそこまでの経緯が多少もたついており、同じ時期にゴキブリらしき虫の混入事件が発覚しながら素早い対応でむしろ好感を獲得した日清食品と比べて批判されたのは事実です。しかしながらその際の叩かれ方に業界では同情が集まったり、「ぺヤンガー」間での販売再開を待ち望む声がネットで盛り上がったりと、不思議な現象だったのを覚えています。

販売中止から今回の再開に至る一連の騒動はある意味、「ペヤングソースやきそば」のブランド力の強さを示す機会になったのかも知れません。