筑邦銀行がSBIとの資本提携解消…その意味

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筑邦銀行(福岡県久留米市)とSBIホールディングス(HD)間の資本・業務提携を解消すると両社が24日発表しました。SBIHD側から提携の強化に向けた提案があったが、筑邦銀行として条件が合わず受け入れられなかったという説明がなされています。

しかしこの話、幾つか裏がありそうだと小生は睨んでいます。一番ありそうなものとしては次の通りです。

全国2番目に総資産規模が小さい弱小地銀である筑邦銀行の生き残り策としては自分達との提携を深化させるしかない、とSBI側が居丈高にここまで振舞ってきた上に(そのため筑邦側とすると随分と癪に障る思いを重ねてきたところに)、今回SBI側がかなり強気の条件で(要は高い料金を吹っ掛けて)今後の提携強化(つまりSBIによる勘定系機能および様々なBaaS機能提供を筑邦が受け入れること)を迫ったところ、筑邦側が「もう嫌だ」と離縁を決断したとの見立てです。

その伏線としてありそうなのが、筑邦銀行の元々のITパートナー(基幹システムである勘定系のベンダー)であるBIPROGY(旧・日本ユニシス)による巻き返しの成功です。

長年の取引関係に見切りをつけて一旦は同社の共同勘定系システム「BankVision」の契約から離脱すると目されていた筑邦銀行ですが、結局そのままユーザー行の一角に留まる見込みです。しかもネットバンキング機能などもBIPROGYから提供される可能性が高くなってきました。これはBIPROGYチームの大勝利でしょう。

筑邦側から見ると、自分達を下に見る高圧的なSBIの連中と付き合うより、自分達を「お客様」として丁寧に対処してくれる、腰の低いBIPROGYと付き合うほうがカンファタブルなのは間違いありません。

問題は技術力やサポート力ですが、それもこの業界の中でトップクラスの実績を持つBIPROGYなら不安はないでしょう。

SBIが秀でていたのは、勘定系と連動させるBaaS機能をうまく使って新しいサービスを開発・提供してくれるところで、実際に筑邦銀行はプレミアム付き電子商品券を手がける新会社を設立したり、企業型確定拠出年金(DC)を中小企業に提供するサービスを始めたりしていたそうです。

ただしこれらも、BIPROGYが豊富に用意しているフロント向けサービスの活用や、他のネット銀との提携で、いくらでも補えるものです。あえて偉そうに振舞うSBIと付き合い続ける必要はないと、筑邦の幹部や現場責任者は結論づけたのではないでしょうか。

今回はSBIHDが全国の地方銀行10行と結んだ提携から離脱する初のケースとなっただけでなく、SBIHDが目指す「第4のメガバンク構想」に疑問符が付き始めたことを意味します。