離島の漁師を救うシースノーによる鮮度輸送

ビジネスモデル

1月06日放送のガイアの夜明け、「魚の価値を高める! 驚きの技術」を観ました。その一つは以前にお伝えしたことがあるマーズカンパニーの「シースノー」でした。
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沖縄県石垣島の漁港はマグロの一大漁港。季節ごとに本マグロやメバチ・キハダマグロが次々と水揚げされます。しかし石垣のマグロは知名度が低くブランド力がないため卸値が半額です。しかも輸送コストが大幅に高い空輸に頼らざるを得ないため、手取りが随分小さくなってしまいます。

この不利な現状を打破しようと協力を呼びかけたのが高崎市のマーズカンパニー。独自に開発した”魔法の氷” 「シースノー」により生魚の鮮度を長時間保てる技術を保有します。マーズカンパニーはこのシースノーを使って石垣から築地へ、空輸ではなく、船(石垣→大阪)とトラック輸送(大阪→東京)で生のままマグロを届けようと考えたのです。

今回、以前からシースノーに興味を持っていた日本通運と組んで保冷車を特別に改造。このルートで生マグロを運べれば、輸送コストが10分の1に抑えられるというわけです。しかし総距離2000キロを1週間。通常では冷凍せざるを得ない輸送時間です。番組では同じ日に同じようなマグロを出荷し、航空便で運ぶ場合(即日輸送。通常の氷で冷凍保存)と比べました。

正確にデジタル鮮度計で測った比較結果は驚きでした。航空便で輸送した結果は、元々11.0だった鮮度数値が10.0ほどに落ちていました。一方、6日かけて輸送された生マグロは11.0のままでした。鮮度は完全に保たれていたのです。この新技術は、石垣(に限らず離島)の漁師たちを救えるのではないでしょうか。