新案件に向けてのコンサル会社の姿勢の違い

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前の期で主なプロジェクトが一つ終了したのに合わせてなのか知りませんが、弊社にも新しいプロジェクトの打診が幾つか来ています。


中には弊社よりも他の会社のほうが向いているような案件の打診が舞い込んでくることも、時にはあります。そんな場合、私はかなり率直に「これこれの理由で」とお断りしています。


一方、弊社として価値を出せそうな案件には、かなりの時間を掛けて準備に取り組みます(その前提は、「他のコンサル会社とのコンペではない」というものです)。


事前に背景概要を教えてもらった上で、関係者にヒアリングをさせていただき、案件の背景理解を進めます(当該クライアント会社のことを既に知っている場合、この辺がスムーズです)。


過去に弊社が仕事をご一緒させていただいた方ならご存じの通り、事前に論点と綿密な進め方を記載した企画書とWBSを作成してキックオフを迎えますので、プロジェクトはスタートダッシュできます。


実はこうしたやり方を採るコンサル会社は稀で、大抵の会社はもっと緩い計画しか組みません(もしくは実質的に計画なしです。代わりに、似たような案件実績やその事例紹介は豊富に提案書に載せます)。ましてやデイリー単位のWBSなどは、相当煮詰まった段階まで待つか、最後まで出てこないか、のいずれかです。


なぜなら、プロジェクト開始前にまでイシューを分析し、様々な要素の関係と優先づけを考えて矛盾のない手順に落とし込み、それをWBSレベルの詳細な計画に落とし込むのは、よほど事情を理解・推察し、企画書の段階で考え抜いておかないといけないからです。かなり面倒なのです。


このやり方を、コンペ方式を前提としているコンサル会社が実施しようとすると、失注案件が数割あるだけで割に合わないのです。だから彼らはある程度定型化した企画書をアレンジするだけでお茶を濁さざるを得ないのです。


弊社のこうした事前準備には相当な時間と手間を要します。それに付き合うクライアントの担当者によっては「面倒だな」と感じることもあるかも知れません。そしてこうしたコンサル会社の考え方の違いって、(よほどコンサル会社との付き合いが色々とある方でない限り)クライアント側にはあまり分からない側面でしょう。


でも本当はそういう事前の理解・準備こそがプロジェクトの初期仮説の精度を上げ、クライアントにとっての無駄金や遠回りを減らすことに通じるのだと、私は信じております。