「残暑」で35度超えとは、もう季節感がおかしくなりそうですね。夏休みはいかがお過ごしでしたか。私はこの8月は仕事一辺倒でした。
今、改めて気になっているのが「今後、この地球温暖化はどういうペースでどこまで進み、それがどんな影響を世の中にもたらすのか」というトピックです。
短期的には、商品・サービスの多くがこの猛暑への対応策を求められています。
例えば、アパレル・百貨店業界には今まで4シーズン毎の商品展開とその入替がありましたが、これからは長い夏と短めの冬の2毛作を基本にし、従来の春物・秋物は「オールシーズン」タイプに吸収される方向だと聞きます。冷房効率を高める衣服や、体温調整を助ける繊維など、テクノロジーを組み合わせた新製品開発も進んでいるそうです。
農産物は採れる季節や産地がシフトし始めていますし(英国ワインが高名になっているほど)、品種改良で暑さに強い作物が開発されてきています。海産物なども各地の水揚げ内容がどんどん変わってきており、馴染みのない魚が採れる一方で、名物だった魚介類が採れなくなっています。
こうした情勢に対し、バイヤーたちはむしろ腕の見せ所とのことです。さらに、食料安全保障の観点からも、持続可能な漁業や農業の仕組みをいかに整えるかが急務となっています。
一方で、温暖化の元凶とされる大気中の二酸化炭素を削減するための技術の開発も様々なレベルで進行中です。
クリーンエネルギーの開発・普及や、生産から消費現場につながる工程でのCO2排出量削減は当然ですが、空中のCO2を回収する設備や、コンクリート資材の中に閉じ込める技術など、一昔前なら冗談扱いされかねない発想の技術が次々と現実化されています。
加えて、電動車の普及や水素燃料インフラの整備、省エネ建築の推進など、暮らしに直結する分野でも変化が見えてきています。
何せ本当に効果的なCO2削減技術の開発に成功すれば膨大な需要は間違いないですし、ノーベル賞だって夢ではないとされますので、技術者・研究者とすると挑戦し甲斐がありますよね。
ただ、技術だけに頼るのではなく、各国の政策や国際協調も重要です。カーボンプライシングや排出量取引制度など経済メカニズムを使ったアプローチ、企業に対する開示規制やESG投資の流れも加速しており、社会全体での仕組みづくりが問われています。
個人レベルでも、節電・再生可能エネルギー由来の電力選択、食品ロス削減やリサイクルといった行動が積み重なれば、無視できない効果を持ちます。
結局のところ、技術・政策・産業・個人生活のすべてが相互に作用して初めて温暖化対策は現実のものとなるのだと思います。