昨今、在宅ケアの場で訪問看護師・介護員が患者およびその家族から受ける暴力やハラスメントの被害が深刻化しています。同様に、家事代行の場で訪問したサービス員がお客から受ける暴力やハラスメントの被害もまた顕在化しています。両者は同じ根を持っています。
前者の在宅ケアの場でのハラスメントに関しては幾つかの報道番組・記事や専門家の警鐘により世の注目も高まっています。ちょっと前になりますが、NHKの「クローズアップ現代」でも採り上げられていたので、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その実態はかなり深刻かつ理不尽なものです。確かに介護の負担を抱える家族の理不尽な境遇に対する思いや、認知症が進行する本人にも相当な不安や怯えがあるのは分かりますが(私もかなり昔ですが、母親が祖父の介護をするのを身近に見ていた数年があります)、そのネガティブな感情のはけ口を訪問看護師・介護員にぶつけるのは許せません。完全に筋違いです。
ソーシャルワーカーが間に入って、できれば行政や地域の人たちも関与して、訪問看護師・介護員はもちろん、介護家族も含めて助け出すことが望ましい話です。
でも第一には、低賃金でも使命感に燃えて介護を続けてくれる介護士・訪問看護師およびその事業所を守ることが先決です。彼らが倒れてしまえば、その地域の介護は崩壊しかねないのです。
だから最悪でも毅然と、「行動を直さないなら契約解除します」と警告する必要があるのです。ソーシャルワーカーや行政もそう促して欲しいものです。
もう一つの、家事代行の場でのハラスメントもNHKの「クローズアップ現代」で採り上げられていました。こちらの実態もまた酷いものです。理不尽な要求でも断ると自身もしくは事業所のレビューが下がるからと我慢する。すると加害者はつけあがり、ハラスメント加害がエスカレートする…と、悪循環です。
こちらは単なる犯罪です。加害者に同情すべき余地はありません。だから即座に警告し、契約解除すると共に、質の悪いユーザーには損害賠償を請求してもいいでしょう(そのためには利用規約にハラスメントへの対処方針を明記することが重要)。
レビューに悪質な嘘コメントを付けられたら、毅然と反論すべきです。場合によっては録音しておいた証拠をネットで公表するのも手です。 いずれもキーワードは「毅然」です。