名店の閉店、そのワケは?

ブログBPM

最近、レストランの予約を幾つか連続してやりました。お客さんだったり、パートナー候補だったり、相手は色々。普段はあまりやらないことなので、何からやるのか戸惑いましたが、食べログやらグルメサイトやらを片っ端からみて探しました。

 

が、なかなかいいのが思いつかない。そこで、はたと思いついたのが、昔食べておいしかった店。それらを片っ端から思い出せる限り書き出し、それを調べることにしました。すると3~4つ、非常に印象に残っている店が思いついたのです。

 

いずれの店も、味も雰囲気もグッドな小じんまりとした店。店の主人はさりげなく気が利いて、会話の邪魔はしない。でも何か尋ねるとむちゃくちゃに詳しい。要はプロフェッショナル。多分、私の好みはそういったところ。そして案内したいお客さんも、パートナー候補も、同じような趣味を持つ(と思っている)。しかも相手にも食べさせたいと思う店ばかりです。

 

それを食べログやらで探してみることにしました。問題は一番食べたいと思える店の名前が出ないことでしたが、店の主人からもらった名刺があることに気づき、それで探し当てることができました。

 

しかし、なぜかその店はサイト上でもとても評判がよいのに、幾つかのサイトでは「休業中」となっているではないですか。かなりショックで、慌てて色々と検索すると、ますます「その店がとてもおいしかった」という評判を有名人の個人ブログやなんかでたくさん見つけてしまい、ますますその店にパートナーのあの人を連れていきたいと思うようになりました。

 

それで思い立ち、仕事の移動途中にその場所に行ってみることにしました。何となく覚えはあったのですが、サイトで確かめて、数日後に実際に行ってみました。

 

メイン通りから小道を入って、ちょっと奥まったところにその店はあるはずです。近づくと確かに見覚えのある門構え。そうそう、こんな風情のある門だった。でも、ん?店の看板というか表札みたいなのがあったはずなのに外されている。そう、本当に休業中だったのです。

 

なぜこんなに評判のよい店を畳んでしまったのでしょうか。店の主人は40代くらいだったから、とても引退したとは思えません。もし店が繁盛し過ぎて大きくなって引っ越したとしたら、サイトに載っているはず。

 

そこで色々と考えて思いついたのが「悲劇」のストーリー。つまり主人が商売繁盛に舞い上がって、他の商売にもいろいろと手を出して、どれもうまくいかなくなる。結果的に本業にも身が入らず、結局手放すことになってしまったという・・・。

 

本人や関係者に確かめたわけじゃないので分からないのですが、可能性の少ない他のストーリーを消していくと残るのが、このストーリー。

 

昔、バブル華やかなりし頃にはこうした「多角化の失敗」や「なれない投資に手を出した失敗」の話は多かったものです。しかし最近は全く少なくなっています。とはいえ時には聞こえてくるのも事実。特に若い(ITなどの)経営者には「バブル時の教訓」が蓄積されていないため、こうした蹉跌があり得ます。

 

本業がうまく行っているときには創業者は他にも自分の経営の才能を生かしたいと考えるもの。その気持ちは分かりますが、自分の右腕や後継者をちゃんと育ててからにすべきところ。同時に幾つも手を出すのは、自分の時間を小間切れにすることに等しいのです。うちのクライアントにはさすがにいませんが、是非避けて欲しいシナリオです。

 

さて、現在ビジネスが好調なあなた、無関係の事業に手を出そうとしていませんか?あなたの時間は有限で、あなたには後継者を育てる義務がまずあることを忘れないでいて欲しいですね。あなたの会社には期待しているお客さんがいるのだから。