出生率1.26の衝撃と政府の「少子化対策」のギャップ

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先週末に、昨年の「合計特殊出生率」(一人の女性が生涯に産む子どもの推計人数)が過去最低の1.26になったというショッキングなニュースが飛び込んできました。


コロナ禍を挟んで7年連続で低下したこの数字、人口維持には2.07を必要とすることを考えると、かなり絶望的なレベルにまで下がりました。


それ以上にぞっとするのは、絶対値としての出生数の落ち込みです。その急落振りには「日本人っていずれ消滅するのかも」と思わせるものがあります。


少子化問題の面倒なところは、「出生率」が低下すると(母数としての)「子どもを生める若い女性の人口」が減り、その先は減少する2つの要素の掛け算で加速度的に若者人口が減ることです。だから両方の低下を押しとどめる政策を考える必要があるのです。


しかし政府が1日に発表した「子ども未来戦略方針」素案にある具体策を見ると、「あまりに偏り、あまりに不十分」と言わざるを得ません。


少子化の2大原因はA:若者の未婚化・非婚化の進行、B:夫婦の子ども数の減少です(三番目は「若者の晩婚化・晩産化の進行」ですが、相対的に小さいのでここでは割愛します)。


今の政府案はこのBに対する集中対策です。確かに、既に結婚し「子どもを持とうとしている」または「子どもは既に一人いる」夫婦に対し、「子育ては大変なので一人で十分」ではなく、「2~3人欲しいね」と思わせる効果は間違いなくあります。


でも少子化政策ならAにも手を打たないと全然ダメだし、Bにも今の対策では不十分です。


必要なのは、①経済的不安のせいで結婚を躊躇する若い男女に踏み切ってもらう、②結婚はしたけど育児やお金、仕事復帰への不安から子どもは作れないと考えている若い夫婦に「何とかなる、思い切って子どもを作ろう」と考え直してもらう、の2点ではないでしょうか。


そのためには、過去の政府が取り組みながら内閣が変わるたびに取り止めてしまった対策のうち効果があったものを総動員するくらいのことが必要です。


そして政府の補助金頼みではダメです。企業・地域コミュニティが本気になって子育て世代の若い夫婦を支える仕組み・体制を社会に築くしか、根本的な解決はあり得ません。


私も改めて考察・提言したいと考えています。