人工知能の将来を語るには早すぎるのか

ビジネスモデル

今週、東工大にて開催された「人工知能は企業の味方なのか?」というシンポジウムに参加した。 http://ac.nikkeibp.co.jp/kd/ai0924/

「近未来の人工知能のビジネスへの応用と、そのチャンスを見出す」という触れ込みに、つい足を延ばした次第だ。サプライズはなかったが、満員の会場を見て、世の関心の高さに改めて触れた感じがした。

講演者は次の3人。はこだて未来大学 学長、中島秀之氏。(株)ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEO 清水亮氏。KDDI ソリューション事業企画本部 クラウドサービス企画部長 藤井彰人氏。

話が面白くて一番エンターテインメント性と刺激度が高かったのは清水氏だったが(将来のビジネスネタになりそうなものを幾つか見つけた)、パネルディスカッション「人工知能を語り尽くす~産業界の期待へどう応えるか~」で最も高い知性を見せてくれたのはさすが、中島学長だった。藤井氏もとても誠実な内容だった。

ただ、不思議なことに、どの人も例えば「今、IBMのワトソンが何をできて、日立やNECは何ができるのか」などという民間企業の最先端の競争状況については触れていなかった。藤井氏が若干、AIを使ったサービスを紹介してくれたが、「それ以上は自分で調べてね」ということなのだろうか。

「こういう分野はどこと組めばいいのか?」という素朴な疑問を幾つか持っていたのだが、少々一般論過ぎたきらいがある。それに折角だから専門家の口から具体的な得意・不得意を聴きたかったが、先に手を挙げていた質問者たちがえらくアカデミック?もしくは哲学的な質問をして、それで質問時間は終わってしまった。

モデレータが少々理解が浅いのか、それとも「小さな組織の未来学」という日経ビジネスの主催する集まりが狙っているのが中小企業なので、参加者のレベルはそんなに高くないと踏んだのか、一般的なやり取りをさせるに終わってしまい、突っ込みが無かったのが惜しい。それとも、人口知能の将来を語るにはまだ早すぎるのだろうか。