ウェブ会議における課題(と向かないお仕事)

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コロナ禍により在宅勤務が増えるにしたがって、家庭内ストレスが溜まって夫婦喧嘩や険悪な場面が増えているそうです。お宅は大丈夫ですか?

この1か月ほど、弊社のようなコンサル会社の仕事でも、どんどんウェブ会議で代替される部分が増えてきました。12~2月まではインタビューやミーティングで移動するスケジュールがびっしりだったのが、今やことごとくウェブ会議で何とかやっています。

しかしウェブ会議ではやりにくいのは事実で、いくつか難点やら生産性にかかわる課題が表面化しています(以前にもウェブ会議=テレカンについての課題を幾つか挙げていますが、今日はそれ以外の話です)。

第一に、会議システムや通信状況によって発生する技術的問題が多々あります。

特に普段使っているシステムでないものだとログイン手続きが複雑に思えたり(弊社の場合、今は3つほど違うシステムを利用する必要があります)、招待者が案内メールを間違っていたりして、会議参加だけで無駄な時間をかなり取られてしまいます(どうもシスコのWebEXは使い勝手が悪いですね)。人によっては画面共有がうまくできないまま、他の人に画面操作をお願いせざるを得ないこともたびたび起きています。

また、インターネットを使うため回線状況が安定せず、会話途中で断線したり、うまく聞き取れなかったりする場面がたびたび出てきます。各人が使っているPCやヘッドセットが問題の原因である場合もあります。大人数の会議の場合に調子が悪くなるシステムもあります(やはりWebEXに問題が多く、またMSのSkype for BusinessはTeamへの移行の過渡期のせいか性能が劣るようです)。

第二に、検証のために外部の方にヒアリング(インタビュー)することが多いのですが、面識のない方にいきなりウェブ会議で突っ込んだ質問をしても、率直に答えていただくのが難しいケースがよくあります。

対面してのヒアリングでも最初の10分程度は雑談や小話的なネタ(アイスブレークと云います)、そして答えやすい質問を幾つか重ねます。これが相手の表情が見えにくいウェブ会議では微妙なのです。ウケたと確信すれば段々と際どい質問に入っていくのですが、その判断がウェブ会議では難しいですね。その意味でウェブ会議は初対面のヒアリング(インタビュー)には向いていません。

第三に、ウェブ会議ではファシリテーションがなかなかうまくできません。リアルの会議ならホワイトボードに概念図を書いて、その場でアイディアを確認したり考えを引き出したりすることが簡単にできるのに、ウェブ会議ではそういった策が限られており、「空中戦」(と呼んでいますが言葉だけのやり取りでイメージを共有できない状態です)になりがちなのです。

実際、弊社が今関わっているプロジェクトの一つが、参加社数も参加者数も多く(つまり弊社クライアント企業以外もかなり混じっています)、いまだにリアルでは会ったことがないメンバーばかりで、しかも技術者側の説明がへたくそでポイントがなかなか掴めないことが多いという「3重苦」の状態です。

今のところはなるべく空中戦に陥らないよう、可能な限り事前にパワポ資料を共有してイメージの共有をできる限り行うくらいしかありません(これはウェブ会議に限らずリアルの会議でも同じようにすることをお薦めします)。いつか近いうちに、ウェブ会議でも使いやすいホワイトボード機能が提供されることを期待しています。

したがって結論的には、今のウェブ会議は本当に難しい課題を複数人で考えて解決するとか、ブレーンストーミングなどのアイディア出しをするようなミーティングには向かないですね。各自で頭をひねって考えた結果を共有することぐらいしか有効な対処法はなさそうです。