アニメ業界はブラック産業のまま

ビジネスモデル

ずっと前だが、知人がアニメ制作会社を子会社に持つ企業のコンサルをする際に相談され、その実態を聞いたことがある。その時はあまりの低い賃金と生産性に呆れたのだが、結局は深くタッチしなかった。ところが最近、その実態がほとんど変わっていないことを知らされ、暗澹たる気分になってしまった。

それが「クローズアップ現代プラス」で6月7日(水)に放送された「2兆円↑アニメ産業 加速する“ブラック労働”」の主旨だった。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3987/

映画などの相次ぐヒットで活況を呈しながら、肝心のクリエータ達は貧困と長時間労働に喘いでいるなんて、この業界の人間は阿呆ばかりで、その顧客であるテレビ・映画産業の連中というのは人でなしの集まりなのだろうか。まともな製作費を払わなければ、この業界全体が崩壊するというのに、おバカなんだろうか。

どの業界でも下請けは不利な立場に追いやられがちだが、この業界は極端だ。単なる下請けから脱し、アニメ制作会社も出資して製作員会に参加すべきだと、なぜ経営者らしきことをしないのか、歯がゆい。そして介護や保育以上に“やる気の搾取”(東レ経営研究所・渥美由喜さんのこのネーミングはうまい)が徹底的に行われて構図を知ると、アニメ制作会社が業界団体を作って共同戦線を張ること、そしてアニメータ自身が退社(または自ら契約解除)してブラックな経営者を業界から排除することを真剣に追及すべきだと思う。