嵐が過ぎ去った今

社会制度、インフラ、社会ライフブログ

ラグビーのワールドカップにおいて開催国・ニッポンが決勝トーナメントに進出することができました。実に嬉しく、日本人として誇りに思えるチームの成果です。ラグビー関係者の皆さんは日の当たらない期間が長かったので、思い切り誇っていただきたいですね。

そんな凄い、国民の誰もが祝福する成果を挙げたのに、翌朝の新聞記事の1面トップにはなりませんでした。そう、台風19号による災害がトップ記事となってしまったからです。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

そりゃあどうしたって自然災害には勝てませんけど、台風もよりによってこのタイミングで来なくていいのにと思いますね。一時は対スコットランド戦の実施すら危ぶまれていたくらい、悪いタイミングで台風が来たものです。

ただ、観測以来初の関東直撃の超大型台風だった割に、(洪水や冠水の被害に遭った方々を除けば)車や歩行者などが吹き飛ばされて怪我や死亡するなどの事故被害は意外と少なかったように思えます。それは不幸中の幸いと言ってよいかと思います。

やはり15号での千葉県や先年の大阪などでの台風被害の状況から事前に相当な予告・警戒がなされ、大半の人が外出を控えたり、外出先から早めに戻ったりしたことが大きいかと思えます。何やかやと言っても日本人の防災意識は着実に高まっていると云えそうです。

そしてそろそろ、「自然災害だから仕方ない」という日本人特有の開き直りや諦め、達観を超え、災害時体制をさらにしっかりとすることはもちろん、そもそも自然災害を減らすための努力を積み上げるべき時期に来ていると思えます。

というのは、多くの方が気づいているように近年になって台風や豪雨の程度がひどくなってきており、明らかに地球温暖化の影響が表面化しているからです。つまり今後も今回のような「超大型」台風が毎年のように日本を襲うようになる可能性は十分高く、そのための備えをすべきだからです。

具体的には、国や自治体は氾濫を起こしやすい河川の堤防強化や山崩れ防止策等(網を張る、植林する、地滑りセンサーを埋め込む、等々と色々とあります)を改めて万全のものとするのと同時に、ハザードマップをより知らしめ、危険地帯から住民が自ら撤去することを促すことです。

そして住民は地域のハザードマップをよく調べ、山崩れが起きそう、昔沼地だったなどの危険地帯からは早急に引っ越すこと、たとえ幾ら手頃な値段でもそうした危険地帯に建てられた住宅には手を出さないこと。これらは個人でもできる最低限の用心です。長年住み慣れた先祖伝来の土地であっても、命あっての物種です。

そして直接的ではないし一つ一つは小さなことかも知れませんが、地球温暖化を遅らせることに効果がある行動を各自が取ることです。具体的には暖房・冷房を抑制する、無駄な電気は消す、ガソリンや灯油の無駄使いはやめる(できればエコカーに買い替える)、過度な包装は断る、無駄なモノは買わない、等々。国連の気候行動サミットでスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16)が非難した通り、大人がこの地球の気象を壊しているのですから。

ちなみに私の自宅は小高い丘の上に建てられた集合住宅ですので、洪水や飛来物による被害の可能性は非常に小さく、万一山崩れがあっても建物全体が飲み込まれるような事態は考えにくいため、今回は非常に心強いものでした(とはいえ万一を考えて、ガラス戸には養生テープを貼りまくったので、後で剥がすのがひと苦労でした)。やはり生活の最低限の基本は安全・安心です。