中国の恫喝に日本はどう対処すべきか

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中国政府が外務省の報道官を通じ、自国民に対して日本への渡航自粛を呼び掛けたことで、インバウンド需要への影響と懸念が幾つかのメディアで報じられています。

🚨 中国政府の「虚偽に基づく」主張

この渡航自粛の呼び掛けにおいて、中国政府が主張している理由は「日本の治安が悪化している」「在日中国人の身体と生命の安全に重大なリスクをもたらしている」というものです。

しかし、これはまったくの虚偽であり、その真の意図は中国外務省報道官の次の発言に示されています。「日本の指導者が公然と台湾に関する露骨な挑発を行い…」

このコメントから、今回の措置が、高市首相の台湾有事を巡る国会答弁に対し、中国政府が強い抗議の意思を示す(ついでに言えば、中国総領事の「首切り」暴言問題を誤魔化す)ものだと解釈するのが妥当です。すなわち、渡航自粛は中国市民の安全保障とは全く関係のない、政治的な目的を持った措置なのです。

🎣 中国の「恫喝・嫌がらせ」という本質

そもそもこれは「高市首相の答弁がもたらしたトラブル」ではありません。保守を旗印にする高市政権を揺さぶり貶めるため、中国政府がその機会を狙っていたところに、格好の口実を見つけたに過ぎないと見るべきです。つまり、中国お得意の政治的恫喝・嫌がらせ以外の何物でもないのです。

しかも、今回の渡航自粛はあくまで第一弾に過ぎません。日本政府からの謝罪や答弁取り消しのような明確なサインがない限り、今後も様々な形で嫌がらせは続くと見るのが賢明です。具体的には、中国人消費者を焚きつけての日本製品不買運動、日本をターゲットとしたレアアースなどの輸出規制などが予想されます。

🇯🇵 日本が取るべき「毅然とした態度」と「中国離れ」

したがって、高市首相が従来の岸田・石破政権のような「対中忖度」姿勢に委縮するつもりがないのであれば、取るべき対処法は明確です。

  1. 政治の毅然とした主張:
    • あくまで冷静さは維持しながらも、毅然とした姿勢で日本の立場を主張し、中国の理不尽さを世界に向けて声高に発信する活動を進めるべきです。喧嘩腰になる必要はありませんが、理不尽な要求には決して屈してはなりません。
  2. 経済界の意識改革と行動:
    • 経済界も従来のような「穏便に事を済ませるためなら膝を屈しても」という態度を改め、決して理不尽な謝罪を日本政府関係者にさせるよう求めてはなりません。
    • 政府と一体となって、中国政府に態度を変えさせるための可能な限りの「中国離れ」の手段を取るべきです。これは短期的な抗議のためだけでなく、中国リスクを減らすための合理的選択です。
    • 具体的には、この際、中国との取引(日本への輸入や中国への輸出、中国での生産など)を縮小させ、他の国・地域にシフトする努力を加速すべきです。また、中国との合弁や技術提供には慎重な姿勢を貫くべきです(わざわざトラブルの種を拾いに行くことはありません)。
  3. 市民の協力と消費者行動:
    • 日本の市民もその動きに協力すべきです。中国産品の購入を減らし、他の国からの産品または日本製に切り替えることで、企業が「中国離れ」をしやすくなります。これは市民生活の安定にもつながります。

📰 マスメディアの「歪んだ報道」への警戒

一方、気を付けるべきはマスメディアの態度です。中国人の渡航自粛がもたらすインバウンド需要への影響を過剰に騒ぎ立て、「保守派」高市政権の足を引っ張ろうという露骨な意図の報道がかなり見受けられます。これでは、日本の足元を見られ、中国をつけ上がらせるという、従来の国辱パターンを繰り返させかねません。

こうした「歪んだ正義感」を持つマスメディアのやり方に対し、市民が監視・非難し、是正させる必要があろうと考えます。

📉 渡航自粛の影響は限定的

ちなみに、今回の中国人観光客の渡航自粛については、大した問題ではないと冷静に捉えるべきです。団体ツアーを手配する旅行社は影響を受けているものの、個人客は政府の虚偽に基づく警告を無視して渡航してくる傾向があります。過去の例を見ても、団体ツアーの落ち込みも半年程度で元に戻ると予想されます。

そもそもインバウンド客は観光客の一部に過ぎませんし、その中で中国人観光客は2~3割に過ぎません。コロナ明けの頃、中国人観光客の戻りが遅くその割合が非常に小さかった時期でも、観光業は大きく回復していました。

逆に、中国人観光客が増えた時期と期を一にして「オーバーツーリズム問題」が深刻化した事実を考えると、中国人観光客が減ることで、むしろ観光地のバランスがよくなると期待される側面すらあるのです。