LINEのポテンシャル

ビジネスモデル

Facebookのことを書いたので、ついでにLINEについても書いてみたい。使っている人も多いと思うが、スマホで使える無料通話・通信のためのアプリである。

Facebookと同様に急成長中であり、しかも珍しく日本発で世界に広がりつつある。開発者はNHNジャパン、旧ライブドア社を吸収合併した韓国企業の日本法人である。つまりあのポータルlivedoorやlivedoor blogなどの運営会社でもある。その意味で開発力やインターネット上でのビジネス展開センスを持ち合わせた企業だといっていいだろう。

何よりこの無料アプリ、登録者同士の通話・通信がタダになるという分かりやすさがまず耳目を引きつけるが、とにかく使いやすい。登録もアプリダウンロードも、使用法も全て簡単である。聞いた話ではスマホを持っている大学生では使っていない例を探すのが難しいくらいだそうだ。ちなみに我が家でも女性陣は使っている。

登録すると、スマホ自体に登録されているアドレス帳をLINEサーバーに読み込むかどうか聞いてきて、了承するとアドレス帳の中で既にLINEに登録している人達が友達としてすぐに通話可能相手として表示される。たとえこちらがアドレス帳を読み込まなくても、あなたの電話番号をアドレス帳に登録しているLINEユーザーには、あなたがLINEに登録したことによってあなたが通話可能相手として表示される。とにかく無料通話の「輪」がどんどん拡がる仕掛けになっている。もちろん口コミが一番強力で、どんどん拡がりつつある。

無料通話・通信のためのアプリといえばskypeが世界で一番有名だったし、日本でも使用者が多かったかも知れないが、使い勝手が悪いのが難点だった(その意味でFacebookと同じ)。このLINEはスマホに限るとはいえ圧倒的に使いやすいので、スマホの普及に合わせて加速度的にユーザー層が広がるだろう。

Facebookでもその人気度に目をつけて企業がマーケティングツールとして様々なキャンペーンやファンクラブなどを展開しているが、このLINEでも幾つかの企業が取り組みを始めている。典型的なのはローソンやすき屋のようにスマホ向けクーポンを配布する手段にしているものだ。メルマガなんかより開封率が高いという評価があり、これが主流になりそうである。

この調子でいけば世界での普及度は、日本発アプリとしてはダントツになりそうだが、その時には膨大なサーバーコスト負担を正当化ならしめる新たなビジネスモデルが必要(発展途上国でクーポンを配布するには地元スポンサーに対する営業網が必要ゆえ)となろうし、通信キャリアが自分達のビジネスモデルを破壊しかねないLINEに対し法的対抗措置を仕掛けるだろう。それはそれで面白い展開である。