AsMama -”子育てママ”を助ける仕組み-

ビジネスモデル

7月15日に放送された「ガイアの夜明け」はシリーズ「働き方が変わる」第8弾「”働くママ”新時代 ~仕事と子育て どう両立させるか?~」でした。

労働人口が年々減少していく人手不足時代において、注目されているのが子供ができると女性たちが仕事を辞めてしまう実態です。彼女たちは様々な事情で働きたくても働けない環境にあります。子育てと仕事を両立させたい女性の要望をすくいあげて、働きやすい環境づくりを進める、様々な取り組みに焦点を当てたのが今回の番組。そこで素晴らしい仕組みを知りました。AsMama(アズママ)です。

子育て中の女性がいざ仕事につくと、急な会議や残業にどう対応するのか、保育園への送り迎えや家事、育児はどうするのか。悩みは多いですね。そうした時、ワンポイント・リリーフで安心して気軽に子どもを任せることができたら…。そんな女性の要望に応えるのがAsMama(本社:横浜)です。http://asmama.jp/

これ、面白い仕組みです。AsMamaのウェブサイトで個人情報を登録(無料)すると、近くに住むママたちの情報が一斉に検索可能となります。その中から我が子の世話をしてくれる人を募り、1時間500円~(一般会員は500円、有資格者の一般会員かママサポーターは600円、有資格のママサポーターは700円)でお願いすることができるのです。行政が補いきれない、働くママの悩みを解決する相互扶助の画期的なシステムとして、いま注目を集めているそうです。

AsMamaでは、我が子を預ける女性と預かる側が信頼関係を築き、安心を生み出す仕組みがあります。何といっても「どこの誰とも分からない人に預ける」のは不安 ですよね。AsMamaではまず地域でママたちが集まるイベントが何度か開かれ、そこに集う人たちが互いに顔見知りになるよう促しています。世話役の現役ママさんたちもいます。知り合いになるとやはり安心ですね。

それに預けられる側の不安は、「子供だから急病になることも怪我することもある。もし何かあった時に責任を問われるのは嫌だな」ということでしょう。報酬は1時間500円が基本ですから、いわば「実質ボランティア、でも0円では真剣味が疑われる」という微妙な値頃感です。もちろん「お互い様」という気持ちで誠実によその子の面倒をみるのですが、その500円のために損害賠償を背負いたくないですよね。AsMamaではちゃんと保険に入っており、子供を預かったママたちには何の負担もありません。

うちの娘の子育ての時期にこんな仕組みがあったらカミさんもきっと使っていたろうと思える、とてもいい仕組みですが、社員全員ボランティアではないでしょうから、一体どうやってビジネスとして成立しているのでしょう。

実は、AsMamaは地域交流の場創りや子育てシェアを、既存コミュニティを有する企業や女性の就労支援を行う企業とタイアップすることで、活動資金を得ているそうです。従業員も活動対価を得ながら活躍しており、家計のやりくりにも頑張る子育て世帯からはお金を取らない ビジネスモデルで運用しています、とのことです。なるほど、よく考えられていますね。