米中デカップリングの動きに備える

米中のつばぜり合いが止まりません。遂にはそれぞれの総領事館の閉鎖にまでエスカレートしています。TikTokのような大衆向けサービスすらその例外ではなくなっています。

この前段階で既に、ファーウェイの機器・部品の使用された製品やサービスを政府系調達から締め出すことを米国政府は着々と進めていますが、米国はそれ以外にもZTE(中興通訊)、JHICC、ハイクビジョン、ダーファ(大華)、ハイテラ(海能達通信)などの中国系企業を対象に取引禁止に踏み切っています。英国・カナダ・豪州などにも同調するよう強く働きかけており、日本政府にも同様の要請が来ていた模様です。

日本経済は中国との関係が強く、率先してこの動きに同調することは難しいというのが今の政府の立場です。「年末にトランプが落選すれば収まるさ」と、一過性のものと決め込んでいる人もいます。でもそれは希望的観測に過ぎません。

対中強硬路線は保守派の様々な機関に後押しされた超党派の議員が進めてきたもので、むしろトランプは自身の再選のためにどこで妥協すれば一番得かを模索していたくらいです(でも今はトランプ・バイデン両陣営とも『対中強硬度』を競うモードになっています)。

この先どちらが選挙に勝利しようと、米国の指導者層は「中国は帝国主義的で米国にとって脅威だ」という認識を既に確立しており、逆に中国は「米国は台頭する中国の邪魔をしたいのだ」と感情的になりつつあります。米中対立は少しずつ範囲と程度を増やし、やがて後戻りできない領域が増えるでしょう。
https://www.cistec.or.jp/service/uschina/23-20200630.pdf
その最たるものがハイテク領域です。遠からず日本は米国から様々な場面で「米国を取るのか、中国につくのか」と「踏み絵」を示され、それは公共的なもの全般に広がる可能性が十分あります。

弊社の取引先にもハイテク企業がおられますし、新規事業でグローバル市場を狙うケースが普通にあります。こうした米中対立は、今は「対岸の火事」程度に思えるかも知れませんが、我が身に降り掛かってくるのは意外と近いかも知れません。今のうちから備えるに越したことはありません。