就職氷河期世代を救済支援することの合理と懸念

2019年5月に内閣府で「就職氷河期世代支援プログラム」が発表されました。

これ自体は重要かつ良いことで、むしろ遅きに逸した感があるほどです。小泉政権以来の自民・公明連立政権も民主党政権もほとんど無視してきたし、安倍政権もここまでは気にもしていなかったのではないでしょうか。

でも今回の政策は、就職氷河期世代への救済というよりは国の経済政策の一環として、発表された側面があります。『人手が足りない分野で正社員になってもらう』、そのための穴埋め要員として就職氷河期世代を活用しようとする思惑がそこかしこに見受けられます。

無就労者、ひきこもりに悩む層を人手不足の産業に振り分けるのは、マクロ的に見れば確かに有効です。でも気を付けないといけないのは、産業側の思惑に引っ張られて、タイミングの理不尽さに泣いた世代にひと時の希望を与えながら、実は再び不幸な状況に突き落とす可能性が見え隠れしていることです。

「人手が足りない分野」は依然、労働環境に問題を抱えた産業やブラック企業等が多く、労働環境の改善を同時に進めなければ、また多くの無業者を繰り返し出してしまう危険があります。

また就職氷河期世代で無就労に陥った層の中にはかつてブラック企業に就労し、長時間労働や残業代の未払い等に苦しめられ、心身共に疲弊し働くことが不可能になった人もかなりいます。

彼らを再び苦しめるような産業・企業に追い込むことだけは避けて欲しいところです。