地方自治体が破綻するとき

18日、米国のデトロイト市が連邦裁判所に対して破産手続きを申し立てたというニュースが世界を駆け巡った。負債総額は180億ドル(約1兆8千億円)以上とされ、米国の地方自治体の財政破綻として過去最大になる。

デトロイト市はGMが本社を置く、米自動車産業の象徴的な都市である。1950年には人口が180万人を超えていたという。その後の自動車産業の衰退や治安の悪化などによって人口流出が続き、現在は約70万人にまで減少している。報道によると、歳入不足に対し借金を重ね、都市インフラの維持費用や退職公務員への年金支払いなどがかさみ、財政難に陥っていた。

今後、デトロイト市がどんな運命を辿るのかを考えさせる番組がどんぴしゃのタイミングで流れた。7月20日(土)に放送されたドキュメンタリーWAVE「破産都市はよみがえるか~アメリカ・カリフォルニアからの報告~」だ。
採り上げられていたのは、この4月に破産宣告を受けたカリフォルニア州のストックトン市。人口30万の都市である。サンフランシスコのベッドタウンとして発展したが、サブプライムローン問題で3万件もの住宅が差し押さえになり、税収は激減、とうとう破産に至ったのである。

市は予算を以前の3分の1以下に縮小し、出直しを図ろうとしたが、最大の課題は治安。失業者の増大や学校閉鎖などを背景に、若年層に麻薬と暴力が蔓延。しかし膨大な債務を背負う中、市が踏み切ったのが警察官の大幅削減だった。他都市の半分に警官が減る中、ギャング(といっても日本のヤクザのように組織だったものというより、チンピラ集団である)の抗争や殺人、強盗、銃撃戦などの凶悪犯罪が急増し、犯罪発生率は全米ワースト8位にまでなった。

金も人もない中、どうやって治安を回復させるのか?市長は治安を重視したいのだが、議会が認めないのだ。にっちもさっちも行かない膠着状態が続く。息子を殺された母親などのコメントが続いた。アメリカの地方都市が抱える苦悩の凝縮である。

そんな中、市が立ち上げたのは「マーシャルプラン」と名付けた犯罪撲滅プロジェクト。警察だけでなく、教育や司法機関、さらには市民ボランティアが連携して、犯罪に立ち向かうものだ。要は、今まで市に対し「あれやって、これやって」と要求だけしていた市民が、市の財政破綻という事態に直面して、当事者意識を急速に持ち始め、自分達でも何かできないかという気になっていくのだ。

元警察官などが中心となり、ギャング達に更生を働き掛ける。普通の市民達も、寄付の募集や奉仕活動の手伝いなどをする。市の職員の手が足りないところを市民が補うのである。こういった場面は、同じく破綻した「先輩」である夕張市でも見られた(犯罪の問題がないだけマシかも知れないが)。番組の終盤には、腹を括った市長が「消費税アップによる警官増員」を提案し、市民の窮状の訴えに動かされた市議会が7対0で可決した。これで防犯対策も少しは進むかも知れない。

しかし財政再建の道筋はまだ全く見えない。小生は、多少は解決への道筋を知っている。要は市内の店や企業にお金を落とすように持っていくべきで、ナショナルショップといわれる大企業の店でなく地元の店を優先するよう、市民が率先して行動するのだ。この動きには市民から信頼されているリーダーが必要である。