再生する中央アジアの息吹が感じられた

「井浦新 アジアハイウェイを行く」の第三弾、「中央アジア 再生への道」を観た。今回の舞台は、旧ソ連からの独立後25年目を迎えた中央アジアを俳優・井浦新氏が自然体で巡ってくれた。

ウズベキスタンで出会ったタクシー運転手の家族、カザフスタンで出会った建築現場で働く労働者、キルギスの市場で出会った娘の嫁入り支度をする母親。いろんな人たちに「25年で変わったもの、変わらないもの」を彼は問い続けた。

建設ラッシュが続くカザフスタンの新しい首都・アスタナは(以前にも他の番組で観たが)、急成長中の都市らしい姿だった。街自体のエネルギーがほとばしっていて(前回のアゼルバイジャンと通じるところがあろう)、それに惹かれて周辺の地域から集まってくる人々の「明日に期待する」熱気が伝わってきた。黒川紀章氏がグランドデザインを考えたという建物群は圧巻で、よくも悪くも未来都市の映画のようだ。

しかしもっと凄かったのは天山山脈の麓に広がるキルギスに、独立後に誕生したという巨大なバザール。アジアハイウェイを渡ってきた品々がここで取引される。ここは現代のシルクロードの要所、巨大物流拠点になりつつあるのだ。井浦氏が規模にあきれて「バザールというより、一つの村ですね」と言っていたが、本当だ。コンテナを積み上げて店とバックヤードにしてしまうという構造もユニークで、感心した。

一番心を打たれたのは、ウズベキスタンの小学校。独立後にできたこの小学校では、ロシア人、ウズベク人、ユダヤ人が同じ教室で机を並べる。「この町はどんな宗教の人にとっても居心地がいい」と語る地元の人が誇らしげだった。世界中が他の宗教に不寛容になっている現代、シルクロードの要衝の街には多様な文化を認めあう寛容な精神が息づいていることに一息つけた。

再生・成長のスピードとやり方は3国ともまったく違うが、少なくとも旧ソ連に征服・抑圧されていた頃を懐かしむムードは全く感じられなかった。いくら生活が大変でも、やはり自由というものは人間にとって何にも代えがたい有難味なのだ。