ワクチンを怖がらせる「デマ本」「トンデモ本」こそ怖い

先日、近所の書店の店頭に新型コロナやワクチン関連の本(でも難しい医学者用ではない、一般向けのものです)のコーナーがあり、結構売れているようでした。よく見るとそのうち複数の表紙を読むと、とんでもない文言が載っています。デマを振りまく、いわゆる「トンデモ本」です。

こうした「トンデモ本」は幾つも出版されていて、意外と売れるのでしょう。

なぜか。読みたい人がいるからです。特にコロナワクチンに関しては不安がっている人が多く、そうした人たちはなぜか余計に不安を煽る情報を仕入れようとして、ますます不安になるという悪循環を自作自演します。そうした人たちは「トンデモ本」の著者・出版社の餌食なのです。

つまり、こうした「トンデモ本」の著者・出版社の狙いは、そうした「不安情報を自ら仕入れて怖がりたい」人たちに本を売りつけて儲けたいのです。分かりやすいですね。

いわゆる「ワクチン陰謀説」を流布して世の不安を煽り立てている連中(こちらは唯のアホ連中です)の情報元となっている悪党連中(中には医師もいます)も同類です。自らの動画やブログに不安に煽られた沢山の人を訪問させることで、自らの広告収入を上げたいのです。嫌なビジネスモデルですね。

「トンデモ本」の具体的な内容は、例えば…

 
  • 『知らないほうが……幸せかもしれない コロナワクチンの恐ろしさ』高橋徳、中村篤史、船瀬俊介の共著(成甲書房)
 
ちらと見ただけですが(買ってはいませんよ、アホらしくて)、この本はヤバい。アマゾンのレビューから抜粋すると的確で辛辣なコメントが幾つか載っていました。曰く

 
《ワクチン接種で磁石がくっつくようになるという話を信じられている中村医師による本。もし本当ならばMRIは撮れなくなるわけですが、本当に世界中でそんなことになっているのでしょうか》

《著者の一人、船瀬俊介を調べて見て下さい。「一言でいえばワクチンは人類皆殺し作戦」「闇の連中が9割人口を減らすと言っている」「奴らは皆殺しを始めた」と主張しているネットニュースや日本トンデモ本大賞の受賞歴がすぐ見つかるはずです。このような方と共同執筆する判断をした医師が信用できるか考えてみてください。

なお、高橋徳医師を調べると、「波動医学」「(オーラを浄化し強くする)スピリチュアルヒーリング」を推奨しているとの情報がでてきます。中村篤史医師を調べると、独自栄養学による代替医療を行っているとの情報がでてきます》

《総合病院でコロナ患者さんの対応をしている現役の内科医です。人間の体内でmRNAが逆転写されて接種者のDNAに取り込まれ遺伝子を改変することはあり得ません。その他にも憶測やデタラメに近い記述が多い。不安を煽るだけの内容です》

 
  • 『本当はこわくない新型コロナウイルス ― 最新科学情報から解明する「日本コロナ」の真実』井上正康著(方丈社)
 
これも「おいおい、そんなこと書いて大丈夫なのかよ」という箇所が色々とありそうです。アマゾンのレビューでの辛口コメントを抜粋します。

 
《根拠が不確かで、論理的に矛盾している内容が何箇所も見られます。そして 主張していることはあくまでも「仮説」に過ぎず、著者の主観的な見解が大部分です。

かならずしも 間違っているとは言い切れない部分もありますが、「仮説」を根拠にして「対策」を行ってはいけないですよね。…(中略)…適切に怖がることが難しいのは事実ですが、こんな「杜撰な本」の著者の言うことを信じてはいけないでしょう。「本当はこわくない」などというタイトルは、言語道断と言わざるを得ません》

《新型コロナウイルスは症状の重いA型インフルエンザを遥かに上回る致死率です。2020年12月に医学誌「ランセット」に入院患者の致死率は3倍高いと発表されました。こんないい加減な本を信じてはいけません》

《一見、エビデンスに基づいて論を展開している様に思われるが、都合の悪いエビデンスは無視し、「こわくない新型コロナウイルス」に帰結させようとしている。曰く、

・三密にエビデンスはない(ある)

・マスクはウイルスが入ってくるのを防がない(入ってくるウイルスの量を減らすが、量の議論はしない)

・SARSのワクチンはADE原因で開発が凍結されている(ADEが動物実験で出たが、直接的な開発が止まっている理由はSARS自体が下火になり、必要なn数を稼げそうもないから)》

 
  • 『医師が教える新型コロナワクチンの正体 本当は怖くない新型コロナウイルスと本当に怖い新型コロナワクチン』内海聡著(ユサブル) – 2021
 
まえがきを読んで分かりますが、これは絶対、アブナイ本ですね。やはりアマゾンのレビューでの辛口コメントを抜粋します。

 
《基礎免疫学と遺伝学の分野で研究している専門家の立場から申し上げますと、本書は長年培われた遺伝学と免疫学の常識を曲解、誤解し、あたかも理論的、科学的に新型コロナウイルスの存在と感染拡大を否定しています。コロナウイルスの存在が証明されていないなどの主張は最たるもので、出所が分かっていない、初発生がどこか特定できていないという事実を曲解し、存在が認められた論文がないとしてしまっています。…(中略)…巻末に、無知なるがゆえにコロナを怖がり、ワクチンを打ちたがるのはやめろ、無知な連中とは付き合えないなどと述べていますが、その言葉、そっくりそのまま筆者に返したいです。本書はただの宗教的思想書です》

《著者はカリスマ教祖的な方です。星を5個つけてるのは熱心な信者の方です。まぁ本を買っても内容を鵜呑みにしない事です。事実だったとしても誤解を招く切り取り方をしています。大袈裟に言うと、子供の若白髪一本を理由にその子は白髪の子供だと主張するようなトンデモ理論。著者は健康グッズいっぱい売ってる方なので信仰心の高い方はどんどん書いましょう》

長くなるので、この辺りにしておきますね。