セブンペイの「敗戦処理」と〇〇ペイの乱立

セブンペイが9月末で廃止が決まりました。鳴り物入りでの登場、早々のトラブル発覚とお粗末な社長の謝罪会見、そして1ケ月での退場決断と、実に目まぐるしいですね。

随分と多額の投資だったはずですし、ポイント還元制度の決済サービス事業者としての登録もできなくなります。でも対策が後手に回り続け、これ以上サービスを続けるとセブンIDおよびセブン&アイ自体の信用に疑問符が付きかねないという苦渋の経営判断がホールディング会社側から下ったのだと推察されます。

当然ながらサービス仕様を検討する過程ではIT専門家たちは2段階認証の採用を薦めたはずでしょうが、サービス開始を急いでいたセブンペイ経営陣に却下されてそれ以上強く主張できなかったのでしょう。

しかし決済サービスに伴うリスクをよく理解しているはずの専門家としては言い訳できません。同じように専門の知見を売り物にする身としては、もって他山の石とすべきと感じました。

それにしても〇〇ペイの乱立ぶりはすさまじいですね。10月からのポイント還元制度への駆け込みという追い風もありますが、決済サービスでの手数料収入、顧客囲い込み、そして購買データの獲得と、どれを重視するかは事業者によって違いますが、「美味しく見える」のでしょう。

でもこの種のサービス検討を手伝ったことがあるので少々分かりますが、各社の内実は相当苦しいはずです。あれほど多額のプロモーション投資を行って、営業コストも半端でないため、とても数年では回収できないはずです。

完全にレッドオーシャン化しているため、手数料は下がりこそすれ上がる余地はありません。我慢比べになっているようですが、各社とも「ここまで投資したのだから」と引っ込みがつかなくなっていると思われます。

一方でここまで乱立すると、消費者と店からすると「どれを使えばいいのか」と迷うくらいで、消費者の装備と店の装備が食い違うケースが増えてしまいます。

8/1から統一規格のJPQRが始まりましたが、実態として変わるのは店のレジ周りがすっきりすることだけです。利用者は自分の契約している〇〇ペイがその店で使えるかどうかは、やはりその場で確認しなければいけませんし、使えなければやはり現金支払いです。

店側が複数の決済サービスを一括で導入可能なサービスとして「クラウドペイ」というサービスも5月から始まっています。バーコードも統一されるため、レジ周りのスペースを占有することもないというのはJPQRと同じですが、消費者ではなく店にとっての導入契約が一括できる便利さを謳うサービスです。

つまり乱立状況を緩和するどころか加速させる側面が強いのです。するとせっかくスマホ決済の設定をした消費者が使えない状況は続くわけです。

実際、私もスマホ決済サービスを2つほど装備していますが、使える機会に巡り合ったことは数えるほどです。最近は少額決済ならもっぱら非スマホ決済であるPASMOで済ませていますが、これが一番手軽で確実です。

確かに今秋のポイント還元制度をきっかけに日本でもキャッシュレスは一層進むのでしょうが、勝者は大注目のスマホ決済サービスとは限りませんよ。