ならば楽天の負担で送料を無料化せよ

公正取引委員会が通販サイト「楽天市場」を運営する楽天を独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで立ち入り検査したそうです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200210/k10012279861000.html
ネット通販業界首位の米アマゾンは原則2,000円以上買えば送料無料です。それに対し楽天市場では現在、出店者ごとに送料や、無料となる条件が異なります。

この状況を不利とみて、楽天は対抗策として3月18日から、一つの店で計3,980円以上買えば送料を一律無料にする方針を決めたのです。しかし問題は、その送料を負担するのは出店者ということです。

約5万社の出店者の多くは中小業者で、競争の激しいネット通販では薄利商売が当たり前。「これでは売れれば売れるほど赤字になる」と強い反発の声が出ています。当然でしょう。

楽天の言い分は「出店者は送料分を商品価格に上乗せすることもできる」ということです(最近は公取に折れたのか、「送料込み」という表示に変えることを示唆しています)。これを根拠に独禁法違反に当たらないと主張し、無料化を予定通り進める構えです。

でも出店者が送料分を価格に上乗せするのは難しいのが実情です。ご存じの通り、ネット通販では価格競争が激しく(価格比較サイトや通販サイト内での比較機能が充実しているのは周知の通りです)、「割高」と見られれば顧客離れが起きるでしょう。

アマゾンを意識する楽天の三木谷浩史会長兼社長は「送料無料は時代の流れ」と強調していますが、自ら様々な商品を仕入れて販売するアマゾンは自社の負担で送料を無料にしているのです。

それに対し、ネット上のショッピングモールである楽天市場は、出店者側の負担で無料化しようとしています。しかも、楽天は本来必要な出店者の幅広い理解を得ないまま、無料化を見切り発車で強行しようとしているとみられます。これは立場の強いプラットフォーマーによる不当な取引先(その大半は中小企業)いじめです。

もし楽天がアマゾンへの対抗上どうしても送料無料化に踏み切りたいのであれば、それは楽天のコスト負担で行うべきです。決して出店者の負担で強行すべき筋合いではありません。

ではなぜ楽天の幹部は取引先の利益を考慮しない、こうした理不尽かつ無神経ともいうべき行いに出ることに罪悪感を感じないのでしょうか。それは楽天の収益基準が出店者の売上額に基づいているからです。たとえ出店者が(送料負担により)赤字を出しても関係ありません。売上が一定額上がれば楽天には手数料が入る「レベニューシェア方式」だからです。

これ、実はセブンイレブンの本部がフランチャイズ店に24時間オペレーションを強制するのと同じ理由です。フランチャイズ店が人件費で赤字になろうが、オーナー家族が倒れようが関係ありません。売上さえ少しでも上乗せされれば、本部の収入は増える訳です。

それと同じ構図が、楽天の幹部の頭の中で出来上がっているのでしょう。「出店者が損をしようが関係ない。売上さえ上げればウチの手数料はかさ上げされるのだから」と。残念です。

そこの出店者さん、楽天の経営理念は出店者のほうは向いていないようです。確かに「出店者の利益・発展のために」とは一言も書いてありませんね。

https://corp.rakuten.co.jp/about/philosophy/