MSは自らの首を絞めている

ビジネスモデル

小生の仕事用(ノート)とプライベート用(ラップトップ)のPCは、どちらもウィンドウズVistaがOSである。それなりにパフォーマンス・レベルの高いはずの機種とメモリを載せている。しかしながら、このところめっきり速度が遅くなっていると感じている。セキュリティソフトのせいとかアプリのせいとかを疑っていたが、どうもそれ以前の問題であるように思えてきた。立上げやシャットダウンに無闇に時間が掛かるのである。

特にシャットダウン操作をした直後に追加の用を思い出して再立ち上げした際に痛感するのが、この「鈍くささ」である。へたをすると3~4分ほど掛かる。あまりに時間が掛かるので、トイレに行って戻ってきてもまだ立上げが完了していないことすらある。それに加え、立上げた直後だと操作そのもののスピードが非常に遅い。テキストを打ち込んで、それが画面に反映するのに数秒掛かってしまったり、漢字変換が反応するのにやはり数秒掛かってしまったりするので、非常に戸惑ってしまう。

特に先週から今週に掛けて、少々異常な忙しさなので、余計にこの遅さはいらだちをもたらす。タブレット端末だったら、こんなに待たずに済むのに、とつい思ってしまう。実際のところ作業も結構するので、タブレット端末だと却って不便かも知れないと、買い換えには踏ん切りがつかないまま来ているが、もし今のPCのどちらかが壊れて買い換えを余儀なくされたら、PCではなくタブレット端末にするかも知れないとよく考える。

世間でPCの売れ行きが悪く、ビジネスパーソンにはタブレット端末がそこそこ普及し始めているのは、軽くて扱いが楽というのももちろんあろうが、小生のようにPCの立ち上がりや動作の遅さにいらだって、PCに見切りをつける人も結構いるのでは、と思う。

これだけPCのハードウェア能力が向上しながら、操作速度が遅いという不満が解消されたことがないのは、CPUとメモリの能力が上がった分の大半をOSとミドルウェアが消費してしまうからだろう。画面がより綺麗になったり操作に音声がついたりすることに、我々ユーザーは大して有難味を感じない。速度が何割か速くなるほうが、ずっと有難い。ましてやOSが変わる度に操作が変わってしまい、それまでできたことができなくなる経験を繰り返すたびに、MS(マイクロソフト)に対し呪いの言葉を投げつけるのである。

PCのハードメーカーが製品の能力向上に凄い努力を払っているのに、MSが「OSを進化させる」とか称して余計なことをするために、その努力を台無しにしている構図である。PCの売れ行き、ひいてはウィンドウズの売れ行きが悪くなっているのは、ひとえにMSが進化の方向を間違っているからだ、と思うのは小生だけではないはずだ。