食料危機を防ぐ切り札!?「人口光合成」

ビジネスモデル

NHK EテレのサイエンスZERO「植物パワーが未来を変える!夢の人工光合成」を観た(録画)。先日の食品廃棄物の番組で人類の未来の食料事情に不安がよぎったが、この番組はその未来に希望を与えてくれるものだった。

光合成とは、太陽光と水と二酸化炭素により、酸素と炭水化物を作る反応である。光合成の前段プロセスでは太陽光により水を分解し水素(=イオン)を取り出せれば、燃料電池の燃料を水から簡単に調達できる。光合成の後段のプロセスでは、二酸化炭素から炭水化物を作り出せる。

光合成を人工的に行うことができれば、現在人類が直面しているエネルギー問題、食料問題、地球温暖化問題を一挙に解決できるかもしれないのだ。

去年、ノーベル化学賞の根岸栄一さんが研究プロジェクトを立ち上げ、さらに豊田中央研究所が世界で初めて光合成のプロセスを再現することに成功した。また、200年間謎に包まれていた光合成のメカニズムの解明に、岡山大学の沈建仁教授のチームが成功(光合成を引き起こす酵素の形は椅子のようで、紹介された記事では「Plant Life’s Boxy Heart」となっていた)、これはノーベル賞ものの発見である。沈さんは何と20年の研究がようやく実った格好であり、その粘り強さには頭が下がる。それにしても、このように一挙に関連技術が進歩するタイミングがあるのだと思う。

日本は人工光合成の分野では世界でも進んでいるそうで、ほかにも光触媒の研究や、金属錯体という粉を水に溶かして光を当てると水素が出来る研究などで成果を収めているようだ。まだまだ日本の技術水準は高いぞ!と意気が上がる内容であった。