韓国の様々な異変は中国に取り込まれる予兆か

グローバル

4月21日の未来世紀ジパングは「韓国に異変!」の第3弾。日中韓の三角関係を縦糸にして、興味深い内容でした。韓国は今、どこに向かおうとしているのか。番組では、揺れる韓国の現場に切り込んでいく姿勢を見せてくれました。

“反日”の風が吹き荒れる中、韓国の観光地では大きな異変が起きています。日本でもお馴染みの釜山(プサン)。2年前まで日本人観光客で賑わっていた釜山の商店街は今、ひっそりと静まり返っています。韓国人商店主は「日本人が減って大打撃」とさえない表情を浮かべる。一方で急増しているのが中国人観光客。ならばいいではないかと思いきや、「中国人観光客は品物に触りまくるし、とにかく値切ろうとするのでやりにくい」とのコメントです。なるほど、日本人観光客はいいカモネギだったのに、ということですね。中国人観光客の行動は実は世界的に見れば普通です(金持ちでもないのに値切らないのは日本と北欧人くらいです)。

その一方で、韓国国内では”日本製品”をめぐる意外なブームが起きています。日本製品を日本のネット通販サイトから直接購買する、というものです。買い手たちは、“直購族”と呼ばれているそうです。日本製品を海外からネットで買っても、従来は「配達区域外」でどうしようもなかったのですが、日本から韓国へ配達代行してくれる業者が出てきたのです。その手数料を上乗せしても、韓国国内で日本製品を買うより安いので、こうした“直購族”が増えているのです。人によって、または物によっては、韓国内で友人や知人、または他人にまで転売するケースもありそうです。

もう一つ好調なものがソニーのデジタルカメラ。特にミラーレスカメラ市場ではダントツの1位で、シェアはライバル・サムスンを大きく引き離し、5割を超えているそうです。ソニーのカメラが韓国で人気となった理由とは何か?韓国特有の、女性による“自分撮り”文化です。日本でもスマホでよくやっている友人とのショットですが、韓国では枚数が各段に多く、本格的にデジタルカメラで撮りまくるようです。その“自分撮り”のために写す際に、レンズ側から構図をモニタリングできるよう別画面を引き出すことができるのです。最新版ではサムスンも同じ機能を搭載するようですが、ソニーはさらに一歩進んで画像補整でより綺麗な(つまり肌がきめ細やかに映る)“自分撮り”ができる機能を載せ、リードを保つ作戦です。これはまさに韓国女性の「綺麗に見せるためなら何でもあり」文化を反映した商品ですね。韓国以外にまで拡がると物議を醸しそうです。

自動車のヒュンダイが既に失速し、電機・電子のサムスン(なんとGDPの2割を占める!)とLGが中国や台湾企業から猛追を受ける中、国策として第二の柱を探す危機感に追い立てられ、韓国はKポップと韓流ドラマに代表されるエンタメ産業の輸出を加速しようとしています。自国のアーティストを世界に売り出すための新しい施設もソウルに誕生しました。ホログラムの技術を使ったシアターで、アーティストがあたかも目の前に存在するかのようです。これを武器に、政府はエンタメ輸出を今の倍の1兆円産業に育成する計画だといいます。このホログラム技術によるアーティスト・シアターは韓国にしては珍しい独自の発想で、とてもいいことです。日本のクールジャパンとは全く違う路線で頑張って欲しいものです。

一方で、中国への傾斜も目立っています。特に有望なのが美容整形。日本では考えられないような一大産業です。韓国は整形した人の占める割合が世界一の整形大国(これを誇る神経が理解できませんが、なるほど事実です)。韓国で人気番組の一つが、一般視聴者参加の美容整形のビフォーアフターです(これで全国に『自分は整形美容しました』とさらけ出して意味あるのか、よく分かりませんが)。ところが何と今では、韓国で整形手術を受ける人の6割が中国人といいます。そこに目をつけた韓国の美容整形業界は、美容整形技術を次世代産業として、中国に輸出しようとしていたのです。これには驚くと同時に、「そうか中国人なら『心より見掛けが大事』という韓国人の感覚を共有している」と感じ入ったものです。

今、韓国は中国への依存が強まっています。(長年上位だったアメリカと日本を抜き)中国向け輸出額が急上昇中です。さらに中国と韓国との距離をさらに近づけているのが、反日。元満州のハルビン駅にオープンした安重根記念館はその象徴です(朴大統領が「記念碑か銅像を」と要請したのに対し、習主席が過剰演出したものです)。日本の元総理大臣を暗殺した人物(アン・ジュングン自身は思想家でもあります)を外国の地で祭り上げるという、こんな失礼な振舞いを繰り返していながら、両国は日本に対しては「隣人として礼節を欠く」などと罵るのですから、まともに相手をする価値もありません。

番組の最後で後藤ナビゲータは「この蜜月はそう長続きはしない」と断言しましたが、小生もそうあって欲しいと思います。韓国経済の要、サムスンのスマホやテレビが中国メーカーの激しい追い上げにより、中韓は経済面でぶつかるときが迫っているという見立てを後藤氏は示していました。小生はその先に、中国資本による韓国の2番手メーカーの買収が色々な産業で生じ、その軋轢は大きいと思います。

でも肝心なことは、中国に政治的かつ経済的に絡め取られて、韓国がその影響から逃れられなくなりつつあるという点です。愚かなことに韓国首脳は日本を貶めるために中国を利用しようと考えていますが、実態は全く逆に中国に利用されており、いずれ米国から「自由陣営を取るのか、中国陣営を取るのか」と踏み絵を迫られるでしょう。そのタイミングが遅ければ、もしかすると韓国・北朝鮮もろとも中国の属国化しか選択肢はなくなっているかも知れません。自ら蒔いた種とはいえ、そうなれば、南北朝鮮の未来は今より格段に厳しいものになるでしょう。