韓国の反日は根が深すぎて手をつけようがない

グローバル

6月5日(金)にフジテレビ系で放送された金曜プレミアム「池上彰 緊急スペシャル 反日・韓国特集」は不思議な番組でした。情報は与えるのですが、分析が中途半端なため結局、なぜ?が大半の視聴者には分からないままだったと感じます。

「日韓基本条約締結から50年という節目の年!」との触れ込みが示す通り、本来なら隣国で国交樹立から50年というタイミングでは様々な祝典の催しがあってしかるべきですが、両国間ではまったくそうした雰囲気ではなく、両国の首脳ですら会談をしたことがないというザマです。なぜそうした事態になっているのかを冷静に考えてみよう、そのためには相手国の事情をよく知らないと、という至極まっとうな発想から企画が始まったはずの番組です。

主なトピックは次の3つでした。(1)日韓最新情報を解説、(2)なぜ韓国人はそこまで日本が嫌いなのか?(3)なぜ反日だったのに日韓国交正常化したのか?

(1)日韓最新情報を解説」→新聞などを読んでいる人には当たり前の内容ですが、今の人達は読まないですから、こうした整理が必要なのでしょう。

・日韓基本条約の締結から50年の記念の年なのに、いまだ首脳会談が行われていない異常事態!→それまで両国の首脳のいずれかが代わる度に行われていたのに、安倍首相・朴大統領の組み合わせになってからはゼロ。確かに異常なのです。

・朴槿恵大統領が語った「日韓首脳会談」を行うための条件とは?→首脳会談の開催に条件を付けること自体が、友好国ではなく敵対していることを象徴していると思いますが、「慰安婦問題を中心に『謝罪せよ』と韓国側が相変わらず要求していること」が原因ですね。日本側はもちろん条件なしでの会談を求めていますし、これが国際的な良識ある対応です。

・今年、韓国が注目しているのは、安倍首相が「お詫び」をするかどうか。→戦後70年になる今年に発表する「総理大臣談話」について、自分たちに向けた『お詫び』の言葉が盛り込まれるかを韓国民とマスコミが注目しているのですね。安倍首相にはそのつもりはないでしょうし、既に度々繰り返してきた『謝罪』を繰り返すべきではありません。未来に向けての自国民の方向を示すためにも、米上下両院での演説で使った『痛切な反省』が適切な表現です。

・日韓首脳会談が行われるために両国にとって何が必要なのか?→戦後の日本は、中韓がゴネるとその場を収めるために「謝罪」や賠償代わりに金を掴ませてきましたが、それが彼らを助長させ、国家の関係をより複雑・険悪にしてきました。もうそんなことはやめにしなければいけません。それで日韓首脳会談が行われなくとも、日本にとっては何の問題もありません。いずれ韓国が困って頭を下げてくるまで待てばよいだけです。

(2)なぜ韓国人はそこまで日本が嫌いなのか?→テレビ東京やNHKの番組では何度も分析している内容ですが、改めて(在日韓国系の力が強いといわれる)フジテレビがこうした内容を伝えようとすることが珍しいし、意義深いのかも知れません。

・韓国人の日本に対する最新世論を調査!日本を嫌いな理由をランキングで解説。→ダントツに2つの理由が他を引き離していました。「慰安婦などの歴史認識問題を日本が謝らないこと」と「独島(日本名・竹島)を日本が自分の領土だと主張していること」です。いずれも韓国側の一方的な言いがかり的主張ですが、これを繰り返しマスコミが煽り、「日本人は韓国の主張を無視している、つまり我々を侮辱している」といった調子で、自らの怒りがエスカレートしているのです。

・学生時代からの反日教育、小学校から高校まで存在するという「独島部」の活動とは?→これがこの番組で唯一「へー、知らなかった」という点です。大半の学校の普通のクラブとして(歴史研みたいな感じで)、「独島が韓国に所属しているということを学ぶ」ためのクラブ活動です。そしてそれを学校および国家が推奨しているのでしょう。ちょうど中国で共産党の青年部会に所属するように、米国の地方で(特別に裕福でない家庭の子息が)共和党の活動に参加するように、エリートになるための登竜門の一つになるのかも知れません。これこそ韓国らしいところです。

・「反日」の原点は建国当時の憲法にあった!?第二次世界大戦中に日本に抵抗するために中国に出来た「大韓民国臨時政府」。しかし、その実態は?→これは面白いポイントなのですが、いかにも突っ込み不足でした。建国当時の憲法に明記されているのが「三・一運動」です。それと関係づけて語られていたのが中国で設立宣言された「大韓民国臨時政府」(その初代大統領は大韓民国の初代大統領になった李承晩)です。この「臨時政府」は実質的には数ある当時の反日組織の一つとして中国政府から援助されていましたが、一度も日本と戦ったことはなく、いわば「建国神話」なのですが、番組ではあまり明確には解説されていませんでした。

(3)なぜ反日だったのに日韓国交正常化したのか?→端的に言って互いに「本音では仲良くなりたいと思っていたわけではないが、メリットのほうが大きかったし、断ると米国の機嫌を損なうので、ビジネスライクに付き合おうと考えた、ということです。現在の事情とそれほど変わっているわけではないですね。

・国交正常化のカギは現在の大統領“朴槿恵”の父親“朴正煕”元大統領。→当時の朴大統領が日本との国交正常化を決断したのです。その理由は上記の通りです。

・朴正煕大統領と日本には深いつながりがあった!!→そう、彼は実は日本の将校だったのです。満州帝国の軍官学校(士官学校)に志願入隊し、卒業後は成績優秀者が選抜される日本帝国陸軍士官学校への留学生となり、日本式の士官教育を受けました。帰国後は満州軍第8師団参謀として対日参戦したソ連軍との戦闘に加わり、内モンゴル自治区で終戦を迎えています。つまりバリバリの親日エリート一族の「期待の星」だったのです。

・日韓両国にとって国交正常化を結んだ理由とは?→日本にとっては、その直前に公海上で操業していた日本の漁船が韓国に拿捕されて(その過程で殺害された漁民もいたそうです)韓国に連行され、刑務所に放り込まれるという事態が幾つか起きています。国交がないため釈放の交渉すらできなかったのです。いわば日本海で操業する漁民全体を人質に取られた格好です。それに加えて朝鮮戦争がエスカレートする中、沖縄をベースに中国・北朝鮮連合軍と戦う米国としては、何としても日韓両国の関係正常化&国交樹立を促す必要があったのです。

一方、韓国は元々農業国であり、工業化で先行していた北朝鮮に対抗していくためには、何としても経済発展を進める必要がありました。しかしそのための巨額の社会投資を賄うだけの内部蓄積はありません(朝鮮戦争のせいで、なけなしの内部蓄積をほぼ吐き出し切った状態です)。日本と本当に国交正常化したいわけではなかったのですが、日本から賠償金をふんだくれると冷静に判断した(日本通の)朴大統領は、反対する閣僚や政治家に圧力を加えて、半ば強引に国交正常化の交渉に突き進み、最終的に調印したのです。

そしてその「実質的賠償金」と、それに続く日米両国からの経済支援をもとに、「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を達成したのです(つまり日本の援助金がその大きな要因なのです)。なにやかや言ってもこの大統領がいなければ韓国は未だにOECDに加盟もできずに最貧国のままだったかも知れません。いわば(シンガポールのリー・クワン・ユー首相と同じ)「国父」なのですが、この歪んだ国ではそうした正当な評価を得ることは難しいのかも知れません。

こうした近代史・現代史をしっかり理解したうえで、バランスの取れた議論をして欲しかったのですが、さすがフジテレビ、ほとんど深掘りはしません。最後には池上さんがかなりミスリーディングな発言をしました(わざと?フジにそそのかされて?無知で?)。「東日本大震災の時、一番最初に助けてくれたのは韓国人と韓国の救助犬なのです」といった趣旨です。全く知らない人が聞いたら「何やかや言ってもやっぱり隣国、いざとなれば頼りになるじゃない」と誤解した日本人視聴者が多かったと思います。でも実態はかなり異なるようです。

本当に真っ先に駆け付けようとしたのは台湾の救助隊ですが、時の民主党政権が中国に余計な気を使ったのか、許可が下りずに2日ほど足止めされたのです。韓国が派遣した先遣隊はたった隊員5名・救助犬2匹だけです。その後の本隊100名余りも含め、彼らは本格的な捜索活動をしないまま引き揚げています。一体、何をしにきたのやら(本当にやったのは、放射能汚染の範囲などの現地調査と在日韓国人が不利益を被っていないかの調査だけ)。

それ以上にひどいのは、その年の9月、ACL準々決勝第2戦で「日本の大地震をお祝いします」という横断幕がスタンドに掛かった事件です。ここまでくると、この国民の品格に関する疑惑は確信に替わります。
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