総選挙結果をどう解釈すべきか

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任期満了解散による総選挙の結果が出ましたね。前回勝ち過ぎた自民党は今回相当な議席減を囁かれていましたが、意外と善戦し261議席を獲得、いわゆる「絶対安定多数」を確保しました。

あれだけ悪評の高まった安部・菅政権の4年間の決算としては大した「お仕置き」もされずに済んだということです。岸田さんの「大急ぎ解散」は「御祝儀相場」的な投票行動も誘発しませんでしたが、結果的に功を奏したということでしょうか。二階氏に替わって権勢を振るうはずだった甘利氏が小選挙区で落選したせいで幹事長を辞任したので、後任次第では岸田さんのフリーハンド度はかなり高まるのではないでしょうか(その意味でも岸田さんは幸運かも)。

野党共闘に成功したはずの立民はむしろ議席を減らしました。前回のメルマガで指摘した「自民総裁選による野党の埋没感」が効いていたこともありますが、共産党との共闘はやはり私のような無党派の中道層にとっての忌避感をもたらしたのは事実でしょう。

結局、今の野党は足腰が頼りなく(地元に根差しておらず)、「風」が吹かないと議席の大幅増にはつながらないということですね。その足腰を鍛えるために若手代議士を選挙指導していたベテランの中村喜四郎氏や小沢一郎氏、そして党幹部で有名人でもある辻本清美氏が今回小選挙区で敗北しました。明らかに立民は無党派からは見放されつつあるようです。

立民の退潮の一方で、自民への批判票を掬い取ったのが維新の会です。大阪での地歩を固めた彼らは今回馴染みのない地域でも候補を立て、第三党の地位を確保するに至りました。新自由主義の旗色の濃い彼らが今回躍進したことは、岸田さんが自民を相対的に少し中道に近づける中で、非常に象徴的な動きです。日本も米国と同様に、有権者の中で保守とリベラルの色分けがはっきり固定化し、国民の分断が進んでいることを表しているのかも知れません。