米国・中国には買い物イノベーションの最先端がある

ビジネスモデル

買い物事情が最近随分変わってきているのは、仕事をやっている中でも、プライベートでも強く感じる。それをまとめて見せてくれたのが、5月15日の未来世紀ジパング、「最新!世界のお買いもの事情」だった。

紹介されていたのはまず小売り先進国・米国の事情。
– Amazonに押されて閑古鳥の鳴くモールでは近所の住民が散歩場所として利用
– 有名百貨店のニーマンマーカスでは、客がいちいち着替えなくとも映像だけでバーチャルな着替えができる
– Amazon Goというコンビニ店ではいちいち精算せずとも支払いできる
– デジマークという会社の技術によりパッケージに商品コードが埋め込まれているため、レジ精算がバーコードに比べ格段に速くなる(しかもDNPが協力して、今まで印刷できなかったパッケージにも印刷できる)

続いて紹介されたワンダーレジというセルフレジの仕組みは消費者が素早く確実に精算できるものだ。日本でも間もなく導入されるという。

その次は、中国の最新買い物事情。日本に来ての爆買いが収まったのは越境ECの普及だという。紹介されていた日本好きの消費者はこの日だけで5箱57品、月に17万円ほど買うという。中国でのECではニセモノが多いが、なぜか越境ECではほとんど偽物を掴まされることが少なく、しかも速くて安い。中国内にある保税倉庫(中国政府の運営)から直送されるからだという。

紹介されていた越境ECサイトは「ワンドゥ」(東京赤坂本社のインアゴーラ社運営)。約200万人が利用しており、3万点の日本商品が出展されているという。鯖江の眼鏡製品など日本の良品を中国の消費者に紹介してくれる。単にサイトで紹介するだけでなく、消費者の代表にリアルの場で紹介し、商品にまつわるストーリー映像を載せたりと、丁寧なプロモーションを実施していることが感じられた。

ネット爆買いに伴い中国で生じているエピソードが幾つか紹介されていて面白かった。自宅ではなく確実に昼間いる会社に商品を届けてもらうとか、ネットで商品を紹介するKOL(Key Opinion Leader)が大金持ちになっているとか、日本では想像できない事情が分かった。

最後に紹介されていたのは、中国での自動販売機が急増しており、間もなく日本以上の出荷台数になるという。特に、駅構内や改札近くに売店がない上海では、ここ数年爆発的に増えている。富士電機の進出がそのきっかけらしいが、中国独自の事情が面白い。

裏面での広告を見せるため周りに何もないスペースに置いたり、電子マネーでの支払いが主流になりつつある(中国の紙幣は腰がないため自販では使いにくい、しかも現金泥棒対策にもなる)ことや、売っているものがどんどん広がっている(お菓子、裁縫道具、スマホケース、さらには店の冷蔵庫で売っているようなアイスクリームや肉・果物など)ことなど、まさに違う世界が広がっていた。自販の管理システムもこの国ではどんどん進歩していることがよく分かった。