異業種の共同戦線は組み合わせ次第で効果大

ビジネスモデル

6月3日放送の「ガイアの夜明け」を遅ればせながら昨日観ました。題して「今を生き抜く!共同戦線」。とても対照的な2件がフィーチャーされており、(実はそれほど期待せずに観たのですが)興味深い内容でした。

一つめは「コンビニ×カラオケ」の組み合わせ。これは想像以上によい組み合わせでした。コンビニのファミリーマートと、「カラオケDAM」を運営する第一興商が手を組んだ、一体型店舗が4月に東京・蒲田駅前にオープンしています(正確には第一興商がオーナーで、コンビニのFC店として展開)。正面のカウンターには、カラオケの受付とコンビニのレジが共に設置されています。カラオケルームは、飲み物・食べ物の持ち込みがOK。カラオケの利用客に、コンビニで弁当や総菜・菓子・飲み物などを購入してもらうのが狙いです。確かに大いに安く済むので、若い客やサラリーマン・OL客には大受けでした。

この共同店舗ではキッチンやボックスまで飲食物を運ぶスタッフが不要なので、出店コストを大幅に削減できるということです。確かに。客にも店にもメリットがあります。

スタート直後、意外な客層で賑わっていました。それは高齢者グループです。都会での安い社交場なんですね。でもファミリーマートには明らかな課題がありました。彼らは併設のコンビニではなく別の店(スーパー、弁当屋)で飲み物・食べ物を買ってくることでした。確かに普通のコンビニで売っているのは若者向けの脂っこい食品やインスタント食品ばかり。高齢者の口には合わないのでしょう。その様子を観察していたファミリーマートの担当者が本部と掛け合い、高齢者向けの食品を開発させ、来店する高齢者に新商品をアピールし続けると、少しずつ店内で買ってくれるようになっていく様子が放送されていました。

この連携は成功すると思います。

もうひとつの融合は百貨店×郵便局の組み合わせ。百貨店業界トップの三越伊勢丹と全国2万以上の郵便局を持つ日本郵便が共同で、新たな通販カタログ事業に乗り出したのです。三越伊勢丹グループのバイヤーが選りすぐった衣料品や雑貨などを、全国の郵便局を通じて販売するという事業モデルです。

日本郵便の通販は、各地の特産品など食品分野には強いのですが、それ以外は不得意というのが現状。三越伊勢丹と組むことで、そのブランド力と商品力を高める狙いです。一方で、三越伊勢丹側は従来とりこぼしていた地域の需要を、全国隅々まで網羅する郵便局のネットワークで掘り起こしたいという狙いです。番組の中でも、来店するなじみ客に郵便局スタッフが売り込んで買ってもらっていましたが、これは普段の信頼のなせる技です。また、通販に頼る田舎の高齢者のおうちを郵便局のスタッフが訪問して、ふとんクリーナーを売り込んでいました。確かに説明を要する商品なので、(ジャパネットの高田社長以外の)通販では二の足を踏むところですが、訪問販売で正解なのでしょう。

しかし問題は、この組み合わせは「負け組同士」なことです。継続的なマーチャンダイジング力も宣伝センスも、男性中心の日本郵便からは生まれてこないことでしょう。三越伊勢丹も、都会の高齢女性やビジネスマンに受ける品やサービスは分かるでしょうが、田舎の中高年に受けるファッションや雑貨はさっぱり分からないのではと思います。最初はともかく、長続きするのか少々不安な組み合わせです。