消費増税による落ち込みは軽く済むのかも知れない

ビジネスモデル

消費増税から約1ケ月経ち、その悪影響が今のところ予想より軽い状況が少しずつ判明しています。

駆け込み需要の「山」が大きければそれだけ落ち込みの「谷」も深くなるというのが前回の消費増税の経験則でした。事前に駆け込み需要の反動による買い控え「被害」を最も懸念された業種としては、不要不急の贅沢品・サービスでした。しかし事実は違ったようです。

日曜に放送していたNHKのBizサンデーによると、具体的な3月の駆け込み需要(通常より多い増分)は、自動車メーカーは14%、白物家電は19.1%だったそうです。それに対し食品スーパーのライフでの売れ筋情報で見ると、買いだめができる日用品や加工食品はいまだ落ち込んだままですが、プチ贅沢な生鮮食品はもうすっかり売上が回復しているそうです。意外と皆さん、お金に余裕があるのですね。

番組が調べた、消費増税前後の売り上げの違い(前年同期比)を示すグラフが興味深いものでした。百貨店と家電量販、そして自動車には、明らかに駆け込み需要と反動が表れていました。それでも百貨店は予想より軽いようですし、家電量販は駆け込み需要が凄まじかったようで、両者とも3月と4月を足してみると、むしろプラスです。あとは5月以降次第です。

それに対し、スーパーとコンビニは、明確な反動はなく、店によってばらつきがある程度です。不要不急の性格から反動が懸念されていたファミリーレストランはむしろ両月ともプラスと、意外な結果です。つまり消費増税に関する懸念は「肩すかし」だったのかも知れません。アベノミクスの効果は(一部の富裕層と大企業従業員を除いて)大半の家庭にはまだ及んでいないのに、消費は意外と縮こまっていないことが分かり、景気に安心材料が出てきましたね(もっとも、番組後半で指摘していた、「エルニーニョ現象」により冷夏になるとの予想は懸念材料です)。

話は少し変わって、円安のおかげで外国人の来日が増え、銀座などでは外人買い物客が相当増えているようです。店側も色々と対応しています。外国人が好きそうな商品、たとえば日本酒の品種を増大させ、外国語を話せる人間も増やしているそうです。当然のことながらも、やはり大事ですね。朝日朝刊の一面には「Japanese only」などという張り紙をしている店があることも報じていてショックでしたが、そうした言語道断な行為はごく一部の非常識な店だけのようです。大部分の店は健全で、外国人を含むお客に懸命に対応しようとしていると思います。よかった。