曲がりくねり廻る!?内視鏡手術用鉗子が不可能を可能にする

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10月13日に放送された「夢の扉+」は「”不可能を可能にする”手術器具を創る!」と題してのドリームメーカーたちによるコラボ企画。8ヶ月間におよぶ完全ドキュメントである。過去に登場した、主人公2人(金平永二氏×二九良三氏)がタッグを組んだ。目指すのは、“傷あとが残らない体にやさしい手術”を可能にする、“最強の”医療器具の開発である。

“平成のブラックジャック”こと、内視鏡外科医の金平永二氏。“患者が喜ぶことが本当の医療”という信念を貫くため、日本初のフリーランス外科医となった、世界でもトップクラスのスーパードクターである。もう一人は金属精密加工業社長、二九良三氏。軽くて強くて錆びないうえに自由自在に曲がるβチタンパイプを世界で唯一作る技術をもつ。

町工場と外科医、まったく異業種の2人が“世界のどこにもないものづくり”に乗り出した。開発するのは、内視鏡外科手術用の鉗子(かんし)。まっすぐ棒状という常識を覆す、“ヘビのように曲がりくねった”手術鉗子だ。しかも金平が求めるのは、3ヵ所で曲がり、先端がグルグル回転する器具。これができれば、腹を切らずに、おへその孔から器具を挿入して行う「単孔式内視鏡手術」に革命が起こせる。体内での2つの器具に大きな角度をつけられ、操作性が格段に向上するのだ。

しかしハードルは無暗に高い。試作を重ねても先端の動きはぎこちなく、操作はなかなかうまくいかない。開発は行き詰っていた。しかし金平が二九らに手術現場を見せ、その意義を改めて説いた日を境に、二九の開発チームのモチベーションが格段に上がり、開発は目覚ましい進捗を遂げる。そして試作を重ね、新開発の鉗子は遂に実用レベルに到達した。

ドイツに集まった世界各国の外科医たちが賞賛する。「ずっとこんな手術器具が欲しかったんだ!」と。『世界中の人が、安全に、安心して、体にやさしい手術を受けられるように』を目指した「医工連携」の姿を見せてもらった。