日本人は本を読まない、考えない民族になろうとしている

グローバル

12月10日(水)放送の「クローズアップ現代」は「広がる“読書ゼロ”~日本人に何が~」というショッキングな内容でした。

9月に文化庁が発表した調査結果によると、調査対象2000人のうちおよそ半数(47.5%)が、「1か月に1冊も本を読まない」と回答したのだそうです。大学生の40%が読書時間“ゼロ”という別の調査結果もあるそうです。その分、スマホばかり眺めているのですね。

“読書ゼロ”は何をもたらすのか―。これに関し、番組では筑波大学の逸村裕(いつむら・ひろし)教授の研究を題材に、納得的かつ不安な答を引き出していました。

研究は学生の小論文の変化に注目したものです。近年、ほとんどの学生がインターネットの検索サイトに頼って論文を執筆、情報を羅列するものの、持論を展開するのが苦手になっているというのです。その一方で、検索スピードは格段に向上し、閲覧する情報量は急増しています。わずか1秒で、表示された情報が有用かどうかの判断を下しているといいます。

確かに本を読まなくてスマホやPCばかりを使っていれば、情報の取捨選択は素早くなることは間違いないでしょう。一方で深く思索する習慣がなくなってしまった若者からは哲学はもちろん、科学などについても大きな成果をもたらすことは期待できないでしょうね。これは日本人という民族にとって深刻な知の退化をもたらす兆候ではないかと思えます。