投票すべき「まともな政党」はあるか

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総選挙に向けて各党の体制と公約が曲りなりにも出揃ったので、眺めていた(各新聞や週刊誌にはもっと詳しい比較や分析が載っている。なぜウェブ上にはないのか、これも不思議だ)。
http://mainichi.jp/select/news/20121202ddm001010077000c.html

2週間ほど前の時点では(そもそも存在すらしていなかった党すらあるが)、各党の公約自体にどういう違いがあるかすらよく分からなかったのに比べれば、随分進歩したものである(皮肉)。

この表や各党の代表者のコメントから推測できるホンネを推測して思ったのは、「『我が意を得たり』と思える政党が一つもない」というショッキングな事実である。小生はそんなに特殊な意見の持ち主なのだろうかと自問してしまった。

ちなみに4大政党の中では小生の意見に最も近いのが民主党である。前回の選挙の際には「バラマキ宣言」マニュフェストを見て、「この党にだけは入れたくない」と思った(多勢に無勢だった)が、今回はそのバラマキ部隊の主力がいなくなったので、妥当な内容に近づいたようだ。政権から落ちることが確実視されて目が覚めたのだろうが、皮肉なものである。しかしこの党は実行力と一貫性に甚だ疑問符が付くので、すぐにはその気になりそうもない。しかし他の党も似たようなものだ。

安倍総裁のもと、「ナショナリズム」と「上げ潮路線」の組み合わせに模様替えした自民党は、「消費税は社会保障に」と公約で謳いながらも、実際には「国土強靭化」の名の下に公共事業の大判振る舞いにつなげようとする幹部の発言がよく聞こえてくる。公約も言質を取られまいという意図のせいで曖昧なままである。原発に至っては、「再稼働は3年以内に結論」と結論を先送りしてしまった。どうして世論調査ではこの党が第1党に復帰すると予想されるのか、摩訶不思議である。日本の選挙民は政策抜きで判断する国民なのだろうか。

維新ときたら、橋本さんと石原さんという随分意見に隔たりのある両トップの折衷案だから、得体の知れない公約になっている。しかも2人とも「選挙公約には縛られない」と公言するような人物である。公約を真剣に読むだけ無駄であろう。頭脳を使わずに雰囲気で決める連中だけはこの党に期待するのかも知れない。

未来の党は、原発の10年以内での停止、東電の破たん処理と発送電分離という大向こう受けするエネルギー政策を掲げたが、核のゴミ処理の問題を考えていないので、現実感はない。さらにそれ以外の政策のほとんどが、小沢グループが前回民主党マニフェストに無理やり飲ませたバラマキ政策のお色直しである。さらにTPP反対である。この政策ミックスでは日本経済は立ち行かないのが目に見えている。所詮、選挙民を馬鹿にした「ウケ狙い」の公約集である。

こうやって見てみると、大きな政党にはあまり共感できない。また小党に投票して「死に票」になってしまうのかと哀しいが、よりましなところはないものか、もう少し研究してみようと思う。皆さんはどうしているのだろうか?