急増する外国人観光客をいかに取り込むか、地方の知恵が問われる

グローバル

訪日外国人が急増中だ。飲食店、旅行会社、バス会社、自治体等々、これまでにない対応が迫られている。意外なところに外国人が出没し、それに合わせた意外な新ビジネスも出てきている。

10月13日放送のガイアの夜明け「意外なところに外国人…新ビジネス現る!」で、2つの取組が紹介されていた。

一つ目はグルメ情報サイトの「ぐるなび」。飲食店のメニュー等のホームページ制作が主な業務だが、実はそれだけにとどまらない。全国の飲食店の価値を高めるため、各店舗にコンサルティング営業を行っているのだ。

その中でも、最近の課題はインバウンド対応だ。「ぐるなび」の多摩地区担当営業・伊東翔磨さんは、東京立川市のある焼肉店から相談を受けていた。訪日外国人観光客増加に伴い、都心のホテルに外国人旅行者が入りきらなくなっている影響で、立川などの郊外の街にも外国人観光客が増えていて、インバウンド対応を迫られているのだそうだ。

伊東さんが外国人観光客に対応できる武器として考えているのが、「メニュー情報一元変換システム」。日本語でメニューを作ると、ボタン1つで英語や中国語など4カ国語に変換できるシステムだ。これは便利だ。英語が苦手で外国人客に不満を抱かせていた店の人たちが笑顔になるのが分かった。

急増する外国人観光客の影響で「宿不足」だけでなく「バス不足」も起きているというのがもう一つの話題。こちらの主人公は市役所だ。

和歌山市にあるバス会社には、大阪で観光バスが確保できなかった旅行業者からの配車要請が殺到しているという。ところがそうした配車要請の多くは和歌山市を素通りして大阪に向かってしまう。会社の利益にはなるが地域の利益にならないというのが現状なのだ。

この状況を逆手にとって、地方創生のチャンスに変えようと動き出したのが和歌山市の観光課。和歌山市内のバス会社を利用する団体ツアーが市内観光や地元商店街に立ち寄るよう補助金を出すという〝仕掛け〟を考えたのだ。

市の観光課でインバウンドの誘客を担当する谷口さんは、観光協会の理事でもあるバス会社・ユタカ交通の豊田社長と共同で旅行会社への営業活動を開始した。すると間もなくタイの観光業者から「このプランを利用してみたい」という問い合わせが入った。番組ではその団体観光客を精一杯もてなす地元商店街の懸命な姿、それに感動して色々と買い込むタイの観光客の姿があった。これもとてもいい取り組みだ。