従来の延長線上にない、売り方の革命を目指す人々

ビジネスモデル

元々弊社は小売業や飲食業のような付加価値の低い業種には直接クライアントを持たないが、最近は知人やクライアントの紹介で間接的にアドバイスをさせていただくことが度々ある。小売業においては少子高齢化とネット通販の台頭という需要サイドが、飲食業においては人手不足と原料コストアップという供給サイドがクローズアップされる違いはあれど、経営の難しさが加速していることは共通しているようだ。

そんな中、刺激を受けた番組が「ガイアの夜明け」9月26日 放送の「便利で快適!買い物革命」だった。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber4/preview_20170926.html

フィーチャーされていたのはアパレルのGU、メガネチェーンのメガネスーパーの2社。いずれもメガチェーンだが、市場の荒波に揉まれてモノを売るための新たな動きを見せていることが共通する。

ユニクロの弟分ブランド「GU(ジーユー)」が苦境に立たされている。客の好みが多様化し、大ヒット商品依存の“一本足打法”が通じなくなった上に、ネット通販やフリマアプリに客を奪われていたのだ。そのジーユーが新たな勝負として横浜のショッピングモール内に既存大型店の1.5倍、およそ800坪もの超大型店舗をオープンした様子を番組は追いかけていた。

従来の、商品がうず高く積まれ、安さのみを前面に打ち出した売り場ではなく、デジタルツール(これが面白かった)も駆使して、客が本当に買い物を楽しめるような売り場へと脱却することを目指す。店を任せられたジーユー新卒入社1期生、礒野莉衣店長(28歳)の奮闘が伝わり、応援したくなった。それにしても従来の店づくりがあまりにプアだったと感じたのは小生だけか?

もう1社は全国で約350店舗を展開するメガネチェーン・メガネスーパー。かつては低価格帯競合店に対抗し低価格路線へと走り、赤字に転落(牛丼業界と似ている)。経営再建の中で就任した物産出身の外様社長は、高い技術力と丁寧なサービスを武器に、中高年へ向けあえて高価格帯眼鏡を販売する戦略を採る。

現在、力を入れているのが「眼鏡の出張訪問サービス」。老人ホームや病院など、なかなか店舗まで足を運べない高齢者のために、24時間365日、要望があれば全国どこでも駆けつけるという。番組はその現場を取材してくれたが、これは伸びると感じたし、参考にすべき業種が少なくないと思った。