小さな着想でもいい、早く実際に始めることが「大逆転」を生む

ビジネスモデル

10月4日(金)の「特報首都圏」、特集は「わが町の大逆転~成功の秘策 ココにあり~」。農業や観光業などの分野で、思い切った戦略や大胆な方針転換を行い、成功を収める地域や企業の実例を紹介してくれた。

鹿害に悩んでいた長野県富士見町では、それまで“聞いたこともなかった海外野菜「ルバーブ」の栽培を始め、いまや地域の一大産業に成長させた。年収1000万円の農家さえ現れているそうだ。きっかけは町に住む料理研究家と地域振興コンサルタントの夫婦。気候にも合っていたそうだが、高級野菜として利益率は高いはずだ。馴染みのない野菜栽培に当初はしり込みするところが多かったようだが、最初の成功を見て栽培農家は急増したそうだ。むしろ、この番組を観て、競合する地域が現れるだろうと危惧したくらいだ。

長野県渋温泉は、観光客が年々減少する中、ゲーム会社とタイアップした企画が大ヒット、若者が押し寄せるスポットに生まれ変わった。人気ゲーム「モンスターハンター」の世界観が忠実に再現されていると好評で、若いリピータが増えており、彼らが家族・友人を連れてきてくれている。この例の功労者は地元旅館組合の副組合長。ゲーム会社からの呼び掛けに対し伝統に拘って渋る地元旅館をひとつ一つ説得して実現にこぎつけたのだ。今や地元からは感謝の対象だろう。

栃木県茂木町では、廃校「木幡小学校」を改装した宿泊施設が紹介された。第一のポイントは低コストの改装。キャンプ場を経営していた男性経営者ならではの器用さで、手造りで内装を作り、廃業したホテルからベッドなどを引き取って使っている。お陰で通常1億円程度掛る改装費を3千万円ほどで実現したという。また元々小学校だった構造(中庭や運動場がある!)やレトロ感(給食の再現!)も活かして、若い世代や同窓会団体に人気の宿泊になっているという。

「逆境に負けず、知恵と工夫で元気になった現場を見ながら、閉塞感を打ち破るヒントを考える」というのがこの番組の狙いだったが、結論からいえば「わが町の大逆転の成功の秘策なんてない。単によそと違うことを早く思いつき、実際にやってみたからだ」となるのではないか。