実名のはずのSNSにも詐欺師は出没する

グローバル

facebookやLinked-inで世界中にいる「友人の友人たち」とつながる。直接面識はなくとも同窓の先輩・後輩でつながる。国内にいながら海外の人たちとの仕事ができる可能性が拡がる。これもまたSNSの楽しみであり、ポテンシャルです。でも実名が原則とはいえ、それはまともな利用目的の場合の話。直接の面識がない「友人の輪」の先には、何食わぬ顔をして詐欺師が待っているかも知れません。

facebookを使っているお陰で海外の旧友とコンタクトが復活したり、新しい知人を増やしたりしている方も少なくないでしょう。小生もウン十年前の米国の学友と再度つながったり、以前のアジアでの仕事を手伝ってくれた人を見つけたり、それなりに恩恵を受けています。ネット上で友人から紹介された新しい知人とコンタクトして、現地出張時に会って情報交換することもあります。

ビジネスパーソン向け機能がさらに充実しているのがLinkedInです。こちらは自分の専門領域を登録して仕事を探すことや、自分と同じ専門分野の人を探すといった使い方が可能です。システムのほうであなたの人脈の先にいる人を紹介したり、同じ時期に同じ会社や学校に所属した人を紹介したりするだけでなく、似た様な職業背景を持つ人が「あなたの知人かも」という感じで表示されるなど、ビジネス向けだけあって「人脈づくり」支援機能はfacebookより充実しています。

facebookもLinkedInも実名ベースを謳い、その登録内容は相対的に信頼が置けるとされます。使い方さえ正しければ(そして参加者が正確な情報を登録している限り)とても有用なはずです。でもよいことばかりではありません。以下、小生の経験をお話しします。

ある時、LinkedInで海外の金融関連の人からの友人承認リクエストが続けて届きました。そのうちの一人は英国の有名銀行出身の機関投資家といい、もう一人は欧州のプライベートバンクの運用部門で海外投資を行っているというバックグラウンドです。どちらも「君が興味を持ちそうなビジネスプランがある」といったメッセージが付いていました。

もしかすると「景気回復しつつある日本への投資を検討したいので手伝ってくれないか」という仕事の依頼につながるかも知れないと思い(類似の実績を紹介英文に載せています)、「承認」しました。すると一方は「アラブの富豪の依頼で世界中から新規事業の提案を募集している。もし富豪の興味を惹けばXX百万~YY千万ドルの範囲で投資できる」という提案がメールで来ました。もう一方は「あなたと同姓の金持ちが銀行に巨額の資産を預けたまま異国の地で死亡した。身寄りがないので、国家に没収されてしまう前に国外に移したい。一時的受取人になってくれるだけで高額報酬を保証」という依頼でした。非常に魅力的なオファーです。皆さんならどうしますか。

結局、小生は後者のメールはそのまま無視し、前者についてはどういう基準とプロセスで進めようとしているのかを確認し、それに対する返事が信頼に値しないと判断して、それ以降は無視しています。どちらももう一度ずつ「どうだい?」といった感じのメールが来ましたが、それも無視したために音沙汰がなくなりました。実はそれ以降も、別名の友人承認リクエストは月に1~2通は来ていますが、今では最初から無視することにしています。

なぜ小生はこの2つの、一見魅力的なオファーを無視することにしたのでしょう。それは、国際的犯罪の可能性が高いと考えたからです。

前者は当方を選んだ基準が曖昧で(過去実績の内容を確かめようとしない等)、取引を成立させるために証明手続きを要する(こうした手数料を払わせる形でお金を引き出す国際詐欺もあります)、さらに提案のためにアラブの某国にまで行かなくてはならず、その際に誘拐される恐れも十分あると考えました。

後者は、文中に何度も「安全な取引だ」と念を押しているのと、あまりに楽に稼げるので、却って違法な手段によるマネーロンダリングに思えました(ヘタクソな英語だったので誤解ゼロとは断言できませんが、昔eメールが普及し始めた直後には、アフリカ某国発の似たようなメールがよく来たものです)。とにかく詐欺に遭うのも嫌ですし、犯罪の片棒を担ぐことになってもエライことなので、「君子危うきに近寄らず」です。

さて、実際にそれらが詐欺だったのかは今となっては分かりませんが、14日にはこんな報道がありましたね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140114-00000028-asahi-ent

以上は国際的な犯罪グループの話でしたが、もちろん国内にも同様の輩はいます。SNSは便利ですが、そこには怪しげな連中も潜んでいて、巧妙な罠を考えているかも知れません。皆さんも「甘い話」にはご注意を。