大塚家具への誤解が収まるよう希望する

ビジネスモデル

ここ数日、以前に書いたコラム記事の関係で大塚家具の広報室の方と連絡し電話で話すことがあった。小生の記事の趣旨は理解できるし、大塚家具への応援の気持ちも感じられるが、記事の表現の一部が、今同社が受けている誤解を増長させかねないとのことだった。

実はプロキシーファイト騒動(第一幕)の直後から、マスコミ報道やネット上でのコメントには「久美子社長の新しい方針とはIKEAなどに対抗して低価格普及商品を強化する、もしくはそちらに完全シフトするものだ」という誤解が流布したようなのだ(全然知らなかった…)。

そして今回の小生の記事の「久美子氏の一般大衆路線」という表現が「…低価格路線」と同じだと捉えられ、「やっぱりそうなんだ」と納得してしまう人がさらに増えてしまうと危惧しているとのことだった。

記事に追記したように、今回の記事を書いた時、小生にはそうした意識は全くなく、「一般大衆路線」というのはあくまで久美子氏の意図する戦略変化の方向性を重視した表現だった。大塚家具が「低価格路線」にシフトしたとは全く思っていなかった。それは大塚家具の強みは販売員の接客時の丁寧な説明にあり、それが今も続いていることを知っているからだ。

しかし以前の記事を書いた時には、その強みを同社が消してしまうのではないかと危惧していたことも事実だ。大塚家具の顧客の一人として、それは勿体ないと考えたのだ。だから記事もそういうトーンになっていた。

ましてや大塚家具のことをあまり知らないマスコミや、元々の顧客でない一般のプロスペクト客で、騒動および「お詫びセール」で初めて興味を持った人たちなどの間で、先に触れたような誤解が生じることは十分理解できる。彼らは大塚家具が元々高額品中心だったということをきちんと理解しているわけではないのだから。

今回、異例ともいえる長い追記で当方の意図を説明したのも、わずかでもそうした誤解が収まることを願い、それに貢献できればという思いだ。

本来、今回の記事の中核は「やっぱり勝久氏が意図していた富裕層向け戦略の強化は正しい」というものだ。小生の得意なフォーカス戦略を実践しているのだから。

しかしながら大塚家具がしょぼい訳では決してない。何といっても、あれだけ広い売り場で高価格帯から中価格帯にかけて多様な品々を採り上げて丁寧に説明できる販売員がぞろぞろいる会社はそうはいない。

しかしながらやはり下方に向けてよりウィングを広げる戦略は難しく、小生はめったにお薦めはしないが、久美子氏は意地でもやり遂げようとするだろう。その成功を見てみたいという気持ちが小生にはある。