夢の“プラズマ”技術の実用化に賭ける研究者

ビジネスモデル

11月9日に放送された「夢の扉+」は「10000℃の水プラズマで未来を照らせ!あらゆるゴミが蒸発!? 10000℃の粒子で未来を拓く!水から“プラズマ”を発生させる新技術を世界へ」という長いタイトルで、“プラズマ”の研究を続ける九州大学工学研究院化学工学部門教授の渡辺隆行さんを採り上げました。

固体・液体・気体のいずれでもない状態、“プラズマ”。この“プラズマ”という粒子の集まりはエネルギーの塊みたいなもののようです。温度が10000℃以上にも達するこのエネルギーを活用すると、金属でもなんでも即座に消滅(分解)されてしまいます。これを応用して、あらゆるゴミや有害物質を、迅速且つ安全に処理する技術を生み出そうとしているのが、九州大学の渡辺隆行教授です。しかもその“原料”は普通の水なのです。

日本国内で出る産業廃棄物の量は、年間で3億8千万トン以上。渡辺氏が取り組む、『水からプラズマを発生させる装置』が実用化すれば、廃棄物処理をめぐる諸問題は劇的に変化します。さらに渡辺氏の研究は、ゴミ処理と同時に、そこから再利用可能なエネルギー「水素」をも取り出すというもくろみなのです。

水から“プラズマ”を取り出すためのエネルギーは小さいのに、取り出した“プラズマ”が生み出すエネルギーは膨大で制御が難しいそうです。その難しい技術に敢えて挑んでいるのですね。日本だけでなく世界のエネルギー問題と産業廃棄物問題を解決するかもしれない潜在力を持っています。非常に夢があり、期待したい技術です。