中古品業界の戦いは異次元の場で、しかも面白い

ビジネスモデル

最近、人づてに聞いて感心し、かつ不思議に思っていたアプリがある。それがスマホを通して簡単に中古品などを出品、売買ができるフリマアプリ、メルカリ。自分では使っていないが、はまっている人はかなりいるらしい。

そんなメルカリをフィーチャーしたのが、10月10日放送の「ガイアの夜明け」、シリーズ「激闘 シェア争い!」第2弾「”中古品”の覇者 新たな戦い!」だった。

サービス開始からわずか4年で、年間流通額は1000億円超。現在、登録数は国内だけで5000万を超え、脅威の躍進を遂げている。番組でもメルカリにはまって中古品の売却を繰り返している人たちの姿が紹介された。いちいちリサイクルショップに持ち込まなくとも、直接買い手にネットでアピールできて高く売れるという手軽さと効果が大きい。お陰でリユース業界での従来のリアル店の業態は軒並み前年割れだそうだ。

そんな急成長の新覇者が7月に打ち出したのは「メルカリチャンネル」、出品者がライブで動画を配信しながら、商品を紹介できるようにするというアプリ更新だ。今までは、出品する商品の紹介は写真と文章だけだったので、随分リアル感が増したと思える。

さらにその1ヶ月後、今度は新たなアプリ「メルカリ メゾンズ」をリリース。ブランド品の売買に特化したものだ。そこには目利きポイントを順番に示してくれる機能が搭載されていた。なるほどこれなら素人でもブランド品を売ることができるかも知れない。これは確かにブランド品の買い取り業者にとって脅威となろう。

一方、押されるリアル店舗側の代表として、業界大手「ブックオフコーポレーション」の対応も紹介された。売り場面積約900坪、商品約48万点という巨大店舗の展開など、新たな戦略だ。中古品の買い取りにも積極的に動いており、昨年11月には自由が丘駅前店に“総合買取窓口”を設置。ここでは洋服・家電・ブランド品・ジュエリーなど、幅広く買い取る。今やリピート客が後を絶たず、買取額が100万円に達する日もあるという。

その人気の秘密は、佐々木店長の接客にある。一人一人と向き合い丁寧に質問に応じる。これが客との信頼関係を生み、リピーター獲得につながっているという。「ブックオフ」は今後、この“総合買取窓口”をさらに展開していきたいと考えているが、最大の課題は窓口を任せられる人材の育成。簡単ではないが、リアル店ならではの強みを発揮するには必須だ。